約90人をインタビューさせてもらい、ある芸人の取材で人生に無駄はないと感じた2024年
<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム> 今年も残すところ、あと3日。レコ大にも紅白にも引っかからなかった年寄りは、早くも仕事納め。 【写真】酒井法子、美ボディ際立つノースリーブ黒チャイナドレス姿 新宿・歌舞伎町の奥深くで、清原和博が名付け親と言われる“番長鍋”をつつきながら反省会を開いている。 今年も、なんだかんだで90人くらいの人をインタビューさせてもらった。上は78歳のベテラン俳優、ミュージシャンから21歳の女優まで話を聞いた。若い娘さんをインタビューする機会が激減しているのは、拒まれているに違いないのだが、贅沢は言えない。 亡くなった人も多く、追悼原稿を書く機会も多かった。芸能人だけでなく、元横綱でプロレスラーだった曙さん、虎ハンター小林邦明さんなど、格闘技担当時代にお世話になった方も亡くなり、しみじみとしている。ファンだった人に話を聞ける、この商売の喜びを実感させてくれた人だった。 格闘技関係でいうと、暮れ近くになってピン芸人のキャプテン渡辺(49)をインタビューした。テレビやネットでは見ていたのだが、実物が長身、イケメンでビックリした。ソニー・ミュージックアーティスツ所属で、事務所の入り口で見かけた時は「さすがソニー、かっこいい人がいるな」と思っていたら、芸人だった。 さらにビックリしたのは、あのUWFインターに1年以上も在籍していたという。ロスのグレイシー道場に安生洋二が殴り込みをかけてボコボコにされた、格闘技史上に残る事件の報告の電話を道場で受けたと聞いてテンションが一気に高まった。UWFインターの話はプロレス記者時代に永田裕司、高山善広、桜庭和志にチョロッと聞いたことがあるのだが、ヨカタ(素人)呼ばわりされそうでツッコんで聞けなかった。それが、お笑いの取材で歴史的証言を聞くことができた。人生に無駄はない。 新しく会う人がいる一方で、長くダラダラと記者をしていると再会もある。今現在、森田健作(75)と3週間に1度、ラジオの収録取材で会うのだが、じっくりと話を聞けた。17年前に話を聞いた時は、千葉県知事になる前の“浪人中”。それが今は、千葉県知事を卒業して、あれこれ政治の話も聞いている。 NACK5で森田のアシスタントを務める酒井法子(53)とも、30年ぶりくらいにじっくり話した。フジテレビ系「ひとつ屋根の下」放送時以来にあれこれ話した。「日刊スポーツのチイ兄ちゃん(笑い)」と自ら口にしていた青春時代がよみがえった。 心残りは世間といわずとも、芸能界を揺るがすスクープを出せなかったこと。来年は頑張って、残り少ない記者生活の有終の美を飾りたいと願っている。【小谷野俊哉】