英FCA、非上場企業の株式取引可能な新プラットフォームを提案
Sinead Cruise [ロンドン 17日 ロイター] - 英金融行動監視機構(FCA)は、非上場企業の株式を取引できる新しいプラットフォーム「PISCES」の創設を提案した。停滞している英資本市場を活性化し、投資を促進することが狙い。 財務省は来年5月までにPISCESの枠組みを議会に提案する予定。それを受けてFCAは最終規則を公表する。 FCAは、PISCESは急成長している企業がさらに成長し、規模を拡大するために必要な資金を調達するのに役立つと指摘。同時に他の方法では不可能な企業の株式を取引できるようにすることで、投資家に機会の多様化を提供できると説明。17日の協議開始前に「多くの企業が非上場を長く続けることを選択する中で、非上場企業の株式をより簡単に取引できるようにしたいという投資家の要望が高まっている」との声明を出した。 財務省の経済担当相を務めるチューリップ・シディック氏は、PISCESの創設は英国の資本市場の競争力を高めるための改革で「重要な前進」になると強調。「PISCESは、投資家がいくつかの最もエキサイティングな企業の基礎部分に入ることを可能にし、それらの企業の成長を支援するチャンスを与えるだろう」とコメントした。財務省は、複数の企業がPISCESを運営することを期待している。PISCESは規制された市場で非上場企業株の断続的な取引を許可し、開示は参加投資家に限定される。 一方、業界関係者からはPISCESが成功すればロンドンの既存市場が弱体化したり、企業の株式公開が抑えられて低迷する新規株式公開(IPO)が活性化する可能性が低くなったりするとの懸念が出ている。 また、PISCESの参加者が外部投資家に知られていない情報にアクセスできるようになることで、一部の参加者に取引上の不公正な利益がもたらされる恐れがあると不安視する声もある。