「友人の幸せ報告に気持ちがざわつく……」そんな時どうする? スキンケア研究家・三上大進、人を羨む感情とどう向き合うか
明るいキャラクターが人気を集め、インスタライブでは「大ちゃん」と呼ばれて愛されるスキンケア研究家の三上大進さん(34)。初の著書『ひだりポケットの三日月』(講談社)では、左手の障害や自身のセクシャリティーについて綴りました。インスタライブでは日々寄せられる悩みにも寄り添う三上さんに、コンプレックスとどう向き合うか、SNSを見てもやもやしてしまうことなど、同世代あるあるの悩みについて聞いてみました。
「変えられないこと」の犠牲者にならないで
――インスタライブでの、軽快なトークが印象的です。フォロワーの“姫ズ”たちに向ける眼差しも温かく、見ているだけで元気になれるような場ですね。 三上大進さん(以下、三上): インスタライブは私にとって「ご近所さん同士の井戸端会議」のような場。同じマンションの別の階に住んでいるお友達と集まって、「最近どう? しんどいことない? こんな噂を聞いたんだけど」と、しゃべっているようなイメージです。コロナ禍に始めたのですが、みんなとコメントでやりとりするのが楽しくて、一方的に私が発信するのではなく、コミュニケーションツールになっています。私にとっても「一人じゃない」と感じられる場ですね。 ――インスタライブでも、三上さんのもとには、さまざまなお悩みが寄せられています。特に美容と「コンプレックス」は切っても切り離せないものですよね。肌や顔のパーツ、体型など、さまざまなコンプレックスの悩みを聞くことがあるのでは? 三上: コンプレックスの悩みはとても多いですね。いつも「うんうん、すごくわかるー」と思って聞いています。他人がいくら「それ、素敵だよ」と言ってくれたとしても、自分が素敵だと思えなかったら、それはコンプレックスになってしまう。だから、自分のとらえ方を変えるほかないんですよね。 頑張ったらどうにかなるのなら、頑張ってみればいい。でも、私の左手の指が2本なのも、大掛かりな移植手術などしない限り、変えるのは難しい。同じように、どう頑張ったって変えらないものはあります。 ――三上さんは頑張っても変えられないものと、どう向き合っていますか? 三上: 変えられないことについて悩むのは、言い方が良くないかもしれないけど、時間の無駄です。「変えられないこと」の犠牲者になってしまってはダメだと思う。 コンプレックスを乗り越えようとするから、つらくなってしまう。無理に克服しようとせず、どのように向き合えばいいか、変えられることに時間やエネルギーを費やすことのほうがよほどポジティブですよね。たとえば人と会うときに低身長が気になるなら、厚底の靴を履けばいい。自分が鏡を見た時に低身長であることに落ち込むのなら、もう全身を見るのをやめて、身長以外の自分を見ようと決める。そうやって、悩まない工夫をしていくほうがいいのではないでしょうか。 コンプレックスがあっても人生は続いていくんです。私も指が2本でも、あの手この手を使ってここまで生きてこられた。瓶の蓋が硬くて開けられない日は、誰でもいいからその場にいる人に「開けて」と頼みます。そうやって誰かの力を借りてもいいはずでしょう? 恥ずかしいなら隠してもいいし、克服しなくてもいいんです。堂々とすることで得られる自由もあるし、隠すことで守ることのできる自由もある。どちらも大事だし、素晴らしいと私は思います。