「確認不十分」と東電社長 デブリ作業ミスの原因を報告
東京電力の小早川智明社長は4日、斎藤経産相と面会し、福島第1原発2号機の溶融核燃料(デブリ)取り出しで起きたミスについて「単純作業の部分で管理が十分ではなかった」と原因を報告した。作業は協力企業が中心で、東電社員は現場に立ち会っていなかった。斎藤氏は「緊張感を持って対応するよう厳しく求める」と応じた。 小早川氏は面会後の取材で、中断している作業について「できるだけ早期に再開したい」と述べた。時期については明言を避けた。東電は5日午前、記者会見し、原因と作業工程の再確認など対策を説明する。確認作業は数日程度を見込み、取り出し再開は週明け以降とみられる。 面会で小早川氏は、現場の放射線量が高く、東電として準備作業の手順確認ができていなかったと説明した。斎藤氏は廃炉作業の安全性や遂行能力に不安を抱かせないよう東電に求めた。 東電は8月22日に事故後初となるデブリ取り出しに向けた作業を開始。原子炉格納容器の貫通部から装置を差し込み、2週間程度かけて数グラムのデブリを試験的に採取する予定だった。