「仕事ないから地元に戻る?」19歳で仕事が激減した高橋ユウ「芸能界を1回リセット」で感じた屈辱と新たな道へ導いた「言葉」
── それはとても勇気のいる決断だったと思います。 高橋さん:そうですね。決断に至るまでは自分のプライドが邪魔していましたから。本当はモデルや演技の仕事を続けたいのに「諦めた」と思われたらどうしよう、仕事がないからアルバイトしていると思われたら「恥ずかしいな」と。周りの目線ばかりを気にしていて悩んでいたため、すごく疲れてしまったんです。 当時、姉(高橋メアリージュンさん)と一緒に住んでいて、姉から「私がいるし」と言ってくれたことも大きな支えになりました。また、もともと実家が貧乏だったこともあり、お金がなくてモヤモヤするよりもアルバイトで働くほうがいいと決断できた。そうした背景もあって最後は踏んぎりがつきましたね。
■「なんでバイトしてるの?」のひと言に動揺 ── 実際にアルバイトを始めてどうでしたか? 高橋さん:六本木にあるセレクトショップでアルバイトをしていたんですが、そこで働くスタッフさんたちのプロフェッショナルな振る舞いがとてもカッコよかったんです。それまで芸能人なのにアルバイトをするということに引け目を感じていましたが、まったく恥ずべきことではなかったなと。むしろ、芸能界だけしか知らなかった私にとって、どの世界においても素晴らしい人たちがいることに気づけたことが嬉しかった。ただいっぽうで、まだ芸能界に対して諦めきれない自分がいることを再認識できたのもよかったです。
── どういう瞬間にそう感じたのですか? 高橋さん:セレクトショップには六本木という立地のため俳優やモデルさんたちもよく来店されていて、そこでかつて一緒に撮影していたモデルさんと再会したんですね。そのとき、彼女は「え、ユウちゃん、なんでここにいるの?」と驚いて声をかけてくれて。私は「今、ここでバイトしているんですよ」と答えたのですが、芸能界で順調な彼女との立場の違いを感じてその場から逃げ出したい気持ちと、同時にすごく悔しい気持ちが湧いてきました。