【バスケ】「富樫勇樹&岸本隆一」Bリーグを代表するPG2人が語った互いへのリスペクト “ファイナル”では2勝2敗
天皇杯を含めた国内タイトルのファイナルで3回連続で顔を合わせ、Bリーグで最大のライバル関係にある西地区首位の琉球ゴールデンキングスと東地区3位の千葉ジェッツが6、7日の両日、琉球のホームである沖縄アリーナで連戦を行った。 結果は琉球が第1戦から順に85-76、83-79で白星を重ね、連勝を6に伸ばした。琉球は通算成績を37勝13敗とし、西地区2位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズとのゲーム差は4。地区優勝マジックは「7」となった。3位につける全体順位では中地区首位の三遠ネオフェニックスを3ゲーム差で追っており、チャンピオンシップ(CS)に進出した場合のセミファイナルまでのホーム開催権を獲得するため、負けられない試合が続く。 一方、主力の怪我が多い中で2連敗した千葉Jは31勝19敗となった。レギュラーシーズン(RS)残り10試合で東地区の2位以内に入るのは現実的に難しい状況だが、ワイルドカード(WC)で1位をキープしている。ただ2ゲーム差で追う2位の島根スサノオマジックから5位の群馬クレインサンダーズまでの4チームが1ゲーム差の中で団子状態となっており、CS進出に向けて正念場を迎えている。 RS終盤で厳しい戦いが続く中、今シーズンも優勝候補の一角に挙げられる両チームにあって、絶対に欠かせないプレーヤーが琉球の岸本隆一と千葉Jの富樫勇樹である。2人ともチームの顔役であり、いずれもBリーグを代表するPGであることに異論がある人はいないだろう。第2戦後、会見に姿を見せた両雄が互いへの「リスペクト」を語った。
今シーズン全試合出場 “勝負強さ”発揮
1990年生まれで33歳の岸本に対し、富樫は1993年生まれの30歳。どちらもベテランの域に入ったが、今シーズンも全試合出場を継続しており、チームの中心にいる。この2連戦でも相変わらず大きな存在感を放った。 岸本は1戦目こそ若干積極性に欠けたが、2戦目は3P4本を決めてチームトップの18得点。特に自身がアンスポーツマンライクファウルを取られ、第4Qに5点のリードを奪われた場面で、自らのドライブと3Pによる連続得点で追い付いたプレーは圧巻の勝負強さだった。「自分がアンスポを取られたシーンからそういう展開になったので、『取り返したい』という気持ちがありました。無我夢中で、結果的にああなって良かったです」と振り返る。 クラッチシュートを決める場面が多い一方で、感想は淡々としていることが多い岸本。ただ、この日は少し違う感覚だったようだ。「今日は久しぶりに、4Qに入ってから『全部行ってやろう』という感覚がありました。ここで強気に行かなかったら、シーズンでもっと苦しい時に乗り越えられない気がして。今日は自己中にやらせてもらいました」と続け、笑みを浮かべた。 一方、富樫は1戦目が19得点、7アシスト、2戦目が20得点、4アシストと安定した活躍。クリストファー・スミスとジョン・ムーニーが不在で、琉球のビッグマンも含めて徹底マークを受ける中、オフェンスをけん引した。2戦目は両チーム合わせて3人の退場者が出る激しい展開となったが、プレーが止まっている時間に観客席に座ってファンと会話したり、琉球のベンチに行って選手同士でコミュニケーションを取ったりするなど、余裕も見えた。 「審判も込みでのゲームなので、どうチームとしてアジャストするかはすごく大事だと思っています。もちろん僕もカッとなる瞬間はありますが、それでもチームの勝利のために自分がコートにいることがベストだと思うので、あまり審判と戦わないように心掛けています」と言う。この2戦はトビンマーカス海舟らも存在感を見せた。「普段プレータイムが少ない選手がチームを助けようと努力してくれたことは、CSを見据えて良かったなと思います。水曜ゲームも続くので、しっかりリカバリーしてやっていきたいです」と話し、今後に繋がる連戦になったようだ。