「サリナさんは絶対見逃さない」“無敵モード”の古賀紗理那が仲間にも容赦なかった理由…パリ切符までの壮絶12試合「人生で一番必死な大会でした」
「完全に無意識。全然覚えていない」
6月16日、ネーションズリーグ最終日。日本は世界ランク5位のアメリカと対戦し、ストレートで敗れた。 古賀はアメリカの手堅いブロックとディフェンスの前に「相手の思い通りのところに打たれて、(自チームの攻撃も相手守備の思い通りに)打ってしまった。工夫が足りなかった」と課題を述べたが、コート内でも常に周りの選手に向けて声をかけていた。 それは「気持ちで勝とう」といった曖昧なものではなく、今何ができていなくて、何をすべきか。1つ1つを細かく紐解き、仲間たちに端的に伝える。同じNECのリベロ小島満菜美からは「紗理那の目が違う」と言われたが、古賀自身は特別なことをしたという意識どころか、そもそもどう振る舞っていたか記憶がないという。 「完全に無意識。試合中はめっちゃ必死だったから、全然覚えていない。それぐらい、とにかく必死でした」 福岡ラウンド開幕前、実は親不知の周囲が炎症を起こし、頬が腫れていた。パリ五輪出場がかかる大会に臨む、見えないプレッシャーとストレスで免疫力が低下していたからに他ならない。一時は「話すだけでも痛い」という状態だったが、最低限の治療を施して大事な4試合に臨んでいた。 その結果、五輪出場という目標を達成した。最終戦では世界の壁がまだ分厚いことを実感したことも収穫と捉えていい。 すぐにファイナルラウンドが始まることや予選ラウンド12試合をほぼ固定メンバーで戦い抜いたことも含め「過酷な大会だった」と振り返る。それでも、地元の九州で「家族にプレーする姿を見せられて幸せだった」と最後は微笑を浮かべた。 「その日調子が悪くても次の日は切り替える、ということができた大会で、成長もできた。もちろんプレッシャーもありましたけど、私自身は身体の変化もプレーの変化も感じながら過ごせていたので、楽しかったです」
「古賀紗理那史上、最高の大会」へ
古賀紗理那史上、一番必死な大会は間もなく始まるタイでのファイナルラウンドで閉幕する。そしてまたすぐ、パリ五輪が始まる。 おそらく「一番必死」が更新されるであろうパリの地での戦いが、「古賀紗理那史上、最高の大会」になりますように。 無敵モードを、いかんなく。最強の古賀紗理那、ここにあり。その姿を世界中に見せつけてほしい。
(「バレーボールPRESS」田中夕子 = 文)
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