“かわいすぎる”とSNSで大バズり…スイスが原点の「北海道土産」にブーム到来【THE TIME,】
青沼さん: 「八雲の熊は主に鮭を咥えてない熊。皆さん熊のバリエーションにビックリするんですよね。84歳から熊彫りを始めた増田皖應(きよたか)さんの作品をSNSで発信したら、バズって、すごい人気になって、みんな欲しい欲しいって」 増田さんの彫る熊は、とにかく愛くるしい熊。 つぶらな瞳で笑いかけるものや、おどけた様子で見上げるものなど、1本1本掘られた優しい毛並みと丸みのある体で“かわいすぎる”と人気なんです。 他にも、八雲で作られた木彫り熊は、これまでの概念を覆すほどオシャレでインテリアにもぴったり。『BRUTUS』などの雑誌で特集が組まれたり、人気ファッションブランド『BEAMS』とのコラボも実現しています。 ■木彫り熊のルーツは「100年前のスイス」 では、なぜ八雲の熊は鮭を咥えていないのか? そのルーツを探るため、町にある『木彫り熊資料館』に行ってみると、見せてくれたのが古いスイス製の木彫りの熊。 手のひらサイズで、つぶらな瞳がカワイイこの熊が、八雲の木彫り熊の原点です。 およそ100年前の、1922年。徳川義親が旅行先のスイスで木彫り熊を購入。 帰国後、その製作を冬の間農作業が行えない農民に、副業として勧めたのが始まりです。 資料館には、100年前に作られた第1号の木彫り熊も残っていて、スイス製のものと比べると、目が小さめで、カワイイというよりはちょっと勇ましい感じ。 『木彫り熊資料館』学芸員 大谷茂之さん: 「最初は手のひらに乗るようなサイズのもので、鮭は咥えてなくて、すごくシンプルな形。スイスの熊そのままではなく、日本人の感性にあったものを作るようになっていきます」 例えば、スイス製の「座ってフルートを吹いている熊」をモデルに作られたのは、「座ってとうもろこしを食べる熊」。熊が座る構図は同じですが、フルートがとうもろこしに変わっています。 他にも、バットを持っていたり、スキーをしていたりと、昭和初期から八雲の木彫り熊は、遊び心あるデザインだったとのこと。 よく知られる「鮭を咥えた木彫りの熊」は別の場所から広がったものだといいます。