R&Dとオペレーションを近くに…ボッシュが新本社および都筑区民文化センターの竣工式を開催
(写真:レスポンス)
9月6日、ボッシュは横浜市都筑区に開設した新本社オフィスおよび都筑区民文化センター(Bosch Hall)の竣工式を行った。その際、報道陣向けに施設の一部が開放された。新オフィスの機能や目的を解説する。 国内拠点8か所を横浜市に集約 ボッシュの新本社ビル ボッシュは2018年に横浜市から都筑区の整備事業の選定を受けて、新本社ビルとともに区民センターの建設を行っていた。2024年5月には、本社ビルは完成しており渋谷本社機能はここ都筑区のオフィスに移転済みだ。新しい拠点は、渋谷の本社機能や各地のR&D拠点など8か所を集約している。今回の竣工式は、同じ敷地に建設された都筑区民文化センターの開所を兼ねたものとして横浜市長や地域自治体幹部、建設に関わった大林組、竹中工務店らを招いて開催された。 このような規模の官民プロジェクトはボッシュグループでも初めてとなるもの(ロバート・ボッシュGmbH 取締役会メンバー タニア・リュッカート氏)で、新オフィスの稼働にあたっては、業務やワークスタイルについて試験的な新しい取り組みが取り入れられていた。 Bosch Hallを含む総敷地面積は1万2000平方mを超える。地上7階、地下2階建ての本社ビルの床面積は約5万3000平方mで、東京ドームの広さに匹敵する。ここと同区牛久保にある既存のR&Dセンターに日本国内のボッシュグループの全従業員の40%ほどが集約される。新本社ビルには約2000人が在籍しているという。 SDVや自動運転などソフトウェアシフトを掲げる同社は、研究開発投資に注力しているが、本社機能移転の背景には、開発力やスピードアップのため開発とオペレーションをより親密に連携させる必要があったそうだ(ボッシュ代表取締役 クラウス・メーダー氏)。また、オフィス環境や組織もそれに対応できるようにコミュニケーションを強化する機能を持たせている。 オフィスにはオープンスペースが目立つ。社長・副社長には専用の部屋があるが、役員も含めてフリーアドレスのデスク、会議スペースで仕事をする。 各オフィスフロアにはライトラボ、地下にはヘビーラボ たとえば会議室だ。2000名規模のオフィスながら会議スペースが300以上確保されている。3名以上は事前予約が必要だが2人程度のディスカッションやミーティングはスペースが空いている限り自由にできるという。従業員食堂も営業時間以外にテーブルなどが使える。オープンテラスになった会議スペースや、自動制御されたルーバーを備えた半オープンな会議スペースなども用意される。アジャイルゾーンという、格子状のレールで自由に可動するホワイトボードでミーティングやディスカッションができるスペースもある。 アジャイルスペース ラボスペースは3階から7階に設けられ、プロジェクトごとに各種計測器、デバッグツールが設置される。これはライトラボと呼ばれ、研究開発の最前線の現場となる。地下1階と地下2階にはヘビーラボという無響室や電波暗室他の設備がある。無響室では電動車の振動や音の試験を主に行う。電波暗室ではADAS機能に必要なレーダーの試験や測定を行う。 ライトラボの風景
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レスポンス 中尾真二