須崎優衣の慟哭「人生懸けてレスリングに…」逆転負けに「現実かどうかわからなかった」自らを責め続け「五輪王者の器じゃなかった」
「パリ五輪・レスリング女子50キロ級・1回戦」(6日、シャンドマルス・アリーナ) 【写真】四つん這いのまま 受け入れたくない現実 ぼう然とする須崎優衣 五輪連覇を目指した須崎優衣(キッツ)は、インドのビネシュにまさかの初戦敗退。泣きながら応対した報道陣の取材には「今の私は五輪王者の器じゃなかった」「私のせいで支えてくれた人の思いを無駄にしてしまった」と語った。 「相手の戦術にはまってしまった」と序盤は徹底的に引いてくる相手の動きを見ながら組み合う展開となった。先に須崎が相手の消極的姿勢で1ポイントを先取すると、しっかりと相手を見ながら落ち着いて対処。休憩後も相手に隙を与えず、残り1分を前に再び相手の消極的姿勢でポイントを加算。しかし残り10秒で相手に一瞬の隙を突かれて倒されると2点が加算され、2-2の同点ながら最後にポイントを取ったビネシュが勝者となった。 「すごく調子は良かったです」と須崎。「何が足りなかったのか今は分からない。見つめ直してまた五輪王者を目指したいなと思います」と声を震わせた。 まさかの逆転負けに「負けるパターンにはまってしまった」といい「相手の対策も研究もしていたけど、自分のやるべきことが出せなかったので、ああいう試合になってしまった」と語った。最後のチャレンジの場面は「完全に負けていた試合。本当にマットの上に立っていたかどうか、現実かどうかわかんなかったです」と明かす。 「パリ五輪のチャンピオンになるために、人生懸けて3年間はレスリングだけに費やしてきたんですけど…何が足らなかったのか、どうしたら五輪王者になれるのか。見つめ直したいと思います」と前を向いた須崎。まだ3位決定戦に進む可能性が残っており「チャンスがあるならば、銅メダルの戦いはこれまで支えてくれた人のために、最低限、みなさんのために頑張りたいです」と語った。