山を越え人々を救済する阿弥陀如来の絵画展 京都府宇治市平等院で開催
人々を救うため山を越えて現れるという、阿弥陀如来の絵画を集めた企画展が、宇治市の平等院で行われています。平等院にあるミュージアム鳳翔館では、阿弥陀如来の救済を願う人々によって、室町時代から描き続けた山を越えてやって来る阿弥陀如来の絵画が11点展示され、このうち10点が初公開です。元来、阿弥陀如来は臨終する人を迎えるため、極楽浄土からほかの仏を伴い雲に乗って姿を現わす「二十五菩薩来迎図」がよく知られていますが、阿弥陀如来が、山を越えて迎えに来るという絵画は、亡くなった人の魂は山の上に行くという日本ならではの民俗感によるものであったり、仏教の各宗派が「南無阿弥陀仏」と唱えるように、人々が阿弥陀如来に救ってほしいという願いがこのような絵画を生んだのではないかと平等院では話しています。企画展「山越阿弥陀図」は9月22日まで行われています。