夏の甲子園「優勝予想」 本命・広陵、対抗・東海大相模、不気味なダークホースは…健大高崎、大阪桐蔭は厳しいか
本命・広陵の対抗チームは?
対抗の一番手として挙げたいチームは、広陵と同じゾーンに入った東海大相模だ。エースの藤田琉生(3年)、2番手の福田拓翔(2年)はともに150キロ近いスピードを誇る本格派で、ストレートだけでなく変化球もレベルが高い。 彼らをリードする捕手の木村海達、ショートの才田和空(いずれも3年)といった中心選手が好調。東海大相模と広陵が初戦を突破すれば、3回戦で両者が激突する。東海大相模は、ここで広陵を倒して、準々決勝に勝ち上がれば、2015年以来となる夏の頂点が視野に入ってきそうだ。 一方、ダークホース的な存在となりそうなチームが、青森山田(青森)だ。こちらも2回戦から登場する。昨秋の東北大会で優勝。今春の選抜で広陵を破り、準々決勝に進出した実力校だ。 エースの関浩一郎(3年)は、青森大会で最速152キロをマークし、投手としての総合力は、今大会で屈指と言える。今春まで関とエースを争っていた桜田朔(3年)が不調な点は気がかりだが、他にもタイプの異なる投手を揃えており、打線も強力だ。一昨年の仙台育英に続いて、東北勢の優勝に期待がかかる。 1回戦から登場するチームでは、健大高崎、大阪桐蔭、花咲徳栄、神村学園(鹿児島)、報徳学園の5校が有力。ただし、健大高崎はエースの佐藤龍月(2年)が怪我でベンチから外れたほか、大阪桐蔭も、エースの平嶋桂知、主砲のラマル・ギービン・ラタナヤケ(いずれも3年)が調子を落としている。 花咲徳栄は、埼玉大会では準々決勝、決勝で大量失点(9失点、計18失点)を喫するなど、投手陣に不安が残る。そうなると春夏連続出場で、地方大会で安定した戦いぶりを見せた神村学園と報徳学園は不安要素が少ない。同じゾーンに有力校が少なく、投手力が強い報徳学園が優勝に近いと言えそうだ。
優勝予想と組み合わせ一覧
◇2024年夏の甲子園優勝予想 本命:広陵 対抗:東海大相模 穴:報徳学園、神村学園 注意:青森山田 <夏の甲子園組み合わせ> ※日程は8月6日時点、雨天などで順延あり 第1日 8月7日(水)1回戦 有田工(佐賀)vs滋賀学園(滋賀) 英明(香川)vs健大高崎(群馬) 岐阜城北(岐阜)vs智弁学園(奈良) 第2日 8月8日(木) 大阪桐蔭(大阪)vs興南(沖縄) 明豊(大分)vs小松大谷(石川) 京都国際(京都)vs札幌日大(南北海道) 第3日 8月9日(金) 花咲徳栄(埼玉)vs新潟産大付(新潟) 金足農(秋田)vs西日本短大付(福岡) 南陽工(山口)vs菰野(三重) 第4日 8月10日(土) 中京大中京(愛知)vs宮崎商(宮崎) 木更津総合(千葉)vs神村学園(鹿児島) 聖カタリナ(愛媛)vs岡山学芸館(岡山) 掛川西(静岡)vs日本航空(山梨) 第5日 8月11日(日) 鳴門渦潮(徳島)vs早稲田実(西東京) 聖光学院(福島)vs鶴岡東(山形) 大社(島根)vs報徳学園(兵庫) 創成館(長崎)vs白樺学園(北北海道) 第6日 8月12日(月)※ここから2回戦 熊本工(熊本)vs広陵(広島) 富山商(富山)vs東海大相模(神奈川) 鳥取城北(鳥取)vs明徳義塾(高知) 北陸(福井)vs関東第一(東東京) 第7日 8月13日(火) 長野日大(長野)vs青森山田(青森) 石橋(栃木)vs聖和学園(宮城) 霞ケ浦(茨城)vs智弁和歌山(和歌山) 花巻東(岩手)vs有田工と滋賀学園の勝者 西尾典文(にしお・のりふみ) 野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。 デイリー新潮編集部
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