「パーマカルチャー」って?自宅でできる「自然と生き物と支え合う豊かな暮らし」[FRaU]
台所には種を保存。料理に使うだけでなく、種を配り、シェアする活動もしている。
また、家の中でもできることはたくさんあるとキッチンを案内してくれたのは、一緒に活動している川村若菜さん。
「パーマカルチャーでは『エネルギーを蓄える』という実践がありますが、おすすめは光熱費の節約にもなる『ホットボックス』。木で作った保温ボックスに断熱材を敷いて、ブランケットやフリースを入れて、保温調理したい鍋を入れるだけ。例えばカレーやスープなどの煮込み料理はガスコンロで10分くらい加熱してから、ここに入れておく。その後はガスを使わず調理できてしまう。木の箱を用意するのが大変だったら、発泡スチロールやクーラーボックスでもいい。毛布にくるむだけでも効果はあります」
パーマカルチャーは、いかに自分たちの生活文化を作るかにあると大村さん。
「例えば都市で完全なエネルギーの自給自足って相当難しいと思いますが、減らすことはできると思うんです。そういう意味であまり大きな目標を掲げるよりも小さなチャレンジを積み重ねていくことで、1年経って気づいたら自分のライフスタイルやものの見方が変わっていたというのが理想です」
初めはささやかでもいい。まずは部屋の中で日当たりや風通しを考慮しながら、植物を置いてみることからはじめてみる。
「それだけで『生きものとともに暮らす』ことが実現できる。“自然”と聞くと急にスケールが大きくなって、何から始めたら良いのか、距離を感じてしまう人もいるかもしれませんが、いかに日常の中にある小さな自然に触れられるか、気がつくかが大事なこと。それが豊かな暮らしに繋がっていくと思います」
訪ねた場所 Permaculture Design Lab. パーマカルチャーデザイナーの大村淳、川村若菜、庄司正昭の3人で主宰。浜松市の市街地にあるフォレストガーデンをはじめ、庭づくりやワークショップなどを行う。 ●情報は、FRaU2024年1月号発売時点のものです。