ライザップ〝復活〟の理由は「コンビニジム」 背景に緻密なテスト 「無謀」批判も「自信はあった」
復活の背景には綿密なテストが
このような復活の背景には、同社が実施してきた、リアルとデジタルでの綿密なテストマーケティングがあります。 リアルではRIZAPの名前を出さない店舗を、2021年10月頃から47店舗出店し、複数のエリアでテストマーケティングを実施。デジタルでは広告やサイトでABテストを繰り返し、最適化をはかり、集客や継続率を検証していたといいます。 現在も会員専用のアプリデータから、利用頻度や利用内容、継続率との関係を分析。2024年3月現在、退会率をサービス開始の7割程度まで抑えているといいます。また、利用頻度が落ちている会員を動画で励ますといった機能が、退会防止にも効果を上げているそうです。 また、chocoZAPでは美容や医療、子ども向けのもの、カラオケなどエンタテインメントまでサービスを提供しています。運動初心者の取り込みを図る戦略で、担当者は「3%とごく少数のフィットネス人口ではなく97%の大多数を狙っています」とします。 RIZAPの会員数は非公表ですが、chocoZAP事業の拡大に伴い、chocoZAPからRIZAPに移る会員が増えているのは事実とのこと。「現在はRIZAP新規入会者の約20%がchocoZAP会員というデータもあります」ということで、今後もchocoZAP事業とRIZAP事業はより密に連携していく予定だと明かしました。 ジムは無人でのビジネスモデルでスタートしましたが、今後はchocoZAPにRIZAPトレーナーを500名体制で増員する方針も発表しています。 「人が入ることでお客様の満足度や品質を高められる部分に関しては、人のリソースを投資し、一方でデジタルを活用することで効率化できたり質を担保できたりする部分に関しては、デジタルを活用。人とデジタルの効果的な融合を目指します」 フィットネス業界でインストラクターなどの人材の果たす役割について尋ねると、「目の前のお客様の複雑な状況や背景などを理解し、臨機応変に寄り添った対応ができることは人の大きな強みであると思います」とのこと。 「特にお客様の心を動かし、行動を変えるというのは、人にしかできない部分も多くあり、この点こそ人の最大の強みだと思いますので、今後も人が果たす役割は非常に大きいと考えております」