ライザップ〝復活〟の理由は「コンビニジム」 背景に緻密なテスト 「無謀」批判も「自信はあった」
体形を劇的に変化させる印象的なテレビCMで認知され、急速に拡大した後、業績の悪化も指摘されていたRIZAP(ライザップ)グループ。近年、大量出店していたchocoZAP(チョコザップ)事業にも「無謀」といった厳しい見方がありました。しかし、同事業の好調により2024年3月期決算では5年ぶりの増収、25年3月期は増収増益を見込んでいるといいます。綿密なテストマーケティングを経て、フィットネス業界で再び注目を集める同グループを取材しました。(朝日新聞withHealth) 【写真】チョコザップが提案、バイク漕ぎカラオケ略して「バイカラ」の様子 ほいけんたも登場して歌披露
RIZAPの業績の立て直しに貢献
ほかの先進国と比較して、日本はジムに通うフィットネス人口が少ないというデータがあります。国際ヘルス・ラケット・スポーツクラブ協会の2018年の調査では、アメリカ20.3%、イギリス14.8%に対して、日本は3.3%という結果でした。 そんな中、2022年7月に事業をスタートして以来、約2年で会員数が120万人と国内トップに踊り出て、店舗数も1500件と急速に拡大する(いずれも2024年5月15日時点)のが、chocoZAPです。パーソナルトレーニング大手のRIZAP社がコンセプトを変えて運営しています。 「コンビニジム」とうたうchocoZAPにおいて、基本となる業態は24時間無人、月額2980円(税抜)で、平均30~40坪程度の店舗にトレッドミルやバイクなどの有酸素マシン、部位ごとに体を鍛える筋力トレーニングマシンなど約11種類を配備、トレーニングウェアや運動シューズ不要で私服で気軽に運動できる、というもの。 「結果にコミットする」というコピーと体形を劇的に変化させるテレビCMで、一世を風靡したRIZAPですが、その後、業績の悪化も指摘されていました。しかし、2024年3月期決算は売上高1662億9800万円(前年同期比7.6%増)と、5年ぶりの増収となりました。 営業損益は5億9400万円の赤字、最終損益(純損益)43億円の赤字でしたが、同社によれば今期(2025年3月期)は増収増益、黒字化の予想だということです。 この成長を牽引したのがchocoZAP事業でした。事業としては2023年11月に単月黒字化、1店舗あたりの累計黒字化のタイミングは、2022年9月時点では18カ月目だったものが、現在では14カ月目まで早まっているそう。 黒字化の要因を、広報担当者は「早期(2023年9月)に1000店舗以上の出店を実現し、事業規模が大きくなったことで、スケールメリットにより店舗あたりのコストが下がり、競争上有利になったこと」と話します。 「他にも、chocoZAPがこれまでのフィットネスジムとは全く異なり、運動初心者をターゲットにし、初心者の方が通いやすいサービス設計にしたことが、多くのお客様に支持され、chocoZAPの成長につながっていると考えております」