WRCラリー・ポーランドのエントリーリストが公開。7年ぶり開催の高速グラベルで24歳マルティン・セスクがMスポーツ・フォードWRTからデビューへ
6月27日(木)から30日(日)にかけて、東欧ポーランドにて開催されるWRC世界ラリー選手権の第7戦『ラリー・ポーランド』のエントリーリストが公開されている。今大会には、計9台のラリー1マシンをはじめとした各カテゴリーの全44台が名を連ねた。 【写真】Mスポーツ・フォードWRTからラリー1デビューを果たすマルティン・セスク 2017年の実施を最後にWRCのカレンダーから外れていた、高速グラベル(未舗装路)イベントのラリー・ポーランドが2024年に昇格を果たし、7年ぶりのWRC開催を迎える。 現在マニュファクチャラー選手権のトップに立つヒョンデ・シェル・モービスWRTは、レギュラーのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組とオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組、さらに2016年の同大会を制した経験を持つアンドレアス・ミケルセン/トルステイン・エリクセン組(優勝当時のコドライバーはアンダース・イェーガー)がエントリーした。 WRCイベントとして最後の開催となった2017年大会では、現在ポイントランキングをリードしているヌービルが、当時はライバルであったタナクとの激戦の末に優勝を飾った。今回ヒョンデが擁する3台のヒョンデi20 Nラリー1には、ポーランドと相性のいい3人が乗り込むことになる。 対するTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームは、レギュラーのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組と勝田貴元/アーロン・ジョンストン組に加え、2014年、2015年大会を連続で制したセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(当時のコドライバーはジュリアン・イングラシア)がエントリーし、3台のトヨタGRヤリス・ラリー1を出走する。 エバンスはこれまでラリー・ポーランドに4度出走しており、最高位はMスポーツから参戦した2017年大会の8位。彼にとってはベストリザルトの更新が必至となるだろう。また勝田は初のラリー・ポーランドとなるため、どのような走りを見せるか注目だ。 残るMスポーツ・フォードWRTからは、レギュラーのアドリアン・フルモー/アレクサンドル・コリア組とグレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ組がエントリー。さらに、3台目のフォード・プーマ・ラリー1にマルティン・セスク/フランシス・レナール組が乗り込むこととなった。 セスクは、ERCヨーロッパ・ラリー選手権で通算3勝を記録している24歳のドライバーで、2024年シーズンより認められているハイブリッドを搭載しないラリー1規定車両での出走となる。これはラリー1マシンに搭載されているプラグインハイブリッドシステムを外し、代わりに同等のバラストを載せて出場する、マニュファクチャラー外でのエントリーだ。 7年ぶりのWRC開催となるハイスピードグラベル対決のラリー・ポーランド。第5戦ポルトガルや第6戦イタリアでは、回頭性の良い動きの多いヒョンデi20 Nラリー1が好走を見せた印象だが、安定性に長けている様子のトヨタGRヤリス・ラリー1が今大会では速さを発揮できるだろうか。若手3人での参戦となるフォード勢の一矢報いる活躍にも期待がかかる第7戦は、6月27日(木)のシェイクダウンより走行開始だ。 ■2024年WRC世界ラリー選手権第7戦ラリー・ポーランド エントリーリスト(RC1クラス/6月4日付) No./Team/Car/Driver&Co-Driver/Eligibility 11/ヒョンデ・シェル・モービスWRT/ヒョンデi20 Nラリー1/ティエリー・ヌービルマルティン・ウィダグ/M 8/ヒョンデ・シェル・モービスWRT/ヒョンデi20 Nラリー1/オット・タナクマルティン・ヤルヴェオヤ/M 33/トヨタ・ガズー・レーシングWRT/トヨタGRヤリス・ラリー1/エルフィン・エバンススコット・マーティン/M 17/トヨタ・ガズー・レーシングWRT/トヨタGRヤリス・ラリー1/セバスチャン・オジエヴァンサン・ランデ/M 16/Mスポーツ・フォードWRT/フォード・プーマ・ラリー1/アドリアン・フルモーアレクサンドル・コリア/M 18/トヨタ・ガズー・レーシングWRT/トヨタGRヤリス・ラリー1/勝田貴元アーロン・ジョンストン/M 13/Mスポーツ・フォードWRT/フォード・プーマ・ラリー1/グレゴワール・ミュンスタールイス・ルッカ/M 9/ヒョンデ・シェル・モービスWRT/ヒョンデi20 Nラリー1/アンドレアス・ミケルセントルステイン・エリクセン/M 22/Mスポーツ・フォードWRT/フォード・プーマ・ラリー1/マルティン・セスクフランシス・レナール/ [オートスポーツweb 2024年06月19日]