アストンマーティンF1、AMR24の弱点はロングコーナーでのマシンバランス?「足かせになっている」とストロール明かす
アストンマーティンは、パフォーマンス改善のため今季のAMR24にアップデートを投入してきたが、それによって限界域でスピードを引き出すことが難しくなったとドライバーのフェルナンド・アロンソとランス・ストロールは考えている。 2024年:F1ポイントランキング 各チームのパフォーマンスが接近する今、限界ギリギリのところでマシンがトリッキーな挙動を見せる状況は、決して良いモノではないだろう。 これまでアストンマーティンは、チームが抱えている具体的な弱点に関して、あまり詳細を明かしてこなかった。アロンソもスペインGPを前に、マシンに不足しているモノの説明を求められたが、詳しく語ることはなかった。 地元メディアからその詳細について説明してもらえるかと尋ねられたアロンソは次のように答えた。 「もちろん、そんなことはできない。そうでなければ、全ての情報をみんなに伝えるよ。僕らだけの秘密だ」 「こういうマシンは、ダウンフォースをどんどん増やしていくと、状況によっては少し致命的になる」 アロンソは多くを語りたがらなかったが、チームメイトのランス・ストロールは、マシンバランスの問題を指摘した。 アストンマーティンが抱える問題は、様々なコーナリングスピードでのパフォーマンスのばらつきに苦労するメルセデスとは異なり、コーナリング中の挙動の変化に関係しているようだ。 特にAMR24最大の弱点はコーナリング中盤のアンダーステアだ。 「バランスの問題であることは確かだが、自信の問題じゃない。マシンのバランスで限界なんだ」とストロールは言う。 「周回を重ねるという点では、運転が難しいマシンじゃない。ただ、コーナーの進入と安定性が足かせになっていて、コーナリング中盤のアンダーステアが大きくて、それを克服できていない」 「とても長い半径のコーナーで、コーナリング中盤のアンダーステアによってアウトに流れてしまうのを我慢するだけでも、十分足かせになっている」 「コーナーを回るのは難しくないけど、ただ速く走るためのバランスが頭打ちになっている。全体的なダウンフォースに合わせて、そういうところが露呈している」 アストンマーティンのパフォーマンスディレクターであるトム・マッカローは最近、長いコーナーがあるサーキットに向けてマシンを調整するのは簡単なことではないと説明した。 「短いコーナーに対してマシンをセットアップするのは簡単だが、長いコーナーは難しい」とマッカローは言う。 「長いコーナーで全体のバランスを取ることは常に難しく、誰もが取り組んでいることだ。バーレーンからずっと取り組んできた」 そしてマッカローは次のように続けた。 「常にバランスの特性は向上させたいし、そこに焦点を当て、その助けとなるようなモノを常に持ってきている。我々は、少しずつ改善しようとしている」 「同時に、マシンの基本性能も向上させようとしていて、空力とメカニカルの両方から開発している。サーキット毎に、ドライバーたちが自信を持って一貫して走れるようなマシンを手に入れようとしている。それは誰もがやっていることだが、我々はそこに重点を置いている」 ただアストンマーティンは何をすべきか認識しながらも、すぐに解決できるという幻想を抱いている訳ではない。状況を改善するためのアップデート投入は、まだ数レース先だ。 「ここ数戦で多くの情報を収集できたと思う。今は問題に取り組んでいる」とストロールは言う。 「今回の週末(スペインGP)と来週(オーストリアGP)はアップデートがないけど、今後可能な限り迅速に投入される。理解することよりも、問題に対処することの方が重要だった」
Jonathan Noble