【40代・50代からの老後資金】パスタや丼ものより幕の内弁当を選ぶ人は、投資リスクが低い 後編「老後マネーがショートする人、お金が貯まりにくい人7つの特徴」②
ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんに、老後マネーを貯めるうえで大事なことを教えてもらう連載。50歳になったら老後資金への取り組みは「そのうち」「いつか」じゃだめ! 今できることをこの連載で見つけて。
「今回は、投資をするうえで持っておきたい考え方や、投資をする楽しみについてお話しします。 前回は、投資を始めるなら分散投資(それをお弁当にたとえるなら、いろいろなおかずが入っている幕の内弁当と申しました)を心がけるのが大切だということ、そして投資初心者なら分散投資が簡単にできる、通称「オルカン※」をはじめとする全世界株式インデックスファンドを選ぶのもひとつの手、とお伝えしました。 ただし、『OurAgeの記事で黒田さんがいいと言っていたからそれを買おう』という、受け身の姿勢ではよくありません」
◆投資で大切なのは、何を(what)買うかでなく、なぜ(why)買うか
「投資をするうえで、手軽に分散投資ができるオルカンを選ぶのでも、自分で銘柄を選んで投資するのでも、どちらを選ぶにしても大切なことがあります。それは、『どんな商品を買うか』(what)ではなく、『なぜ買うか』(why)です。 投資を始めたばかりだとよくわからないので、すぐ誰かに答えを求めてしまいます。例えば講演会などでも、参加者の方から『どの商品を買ったらいいですか?』という質問をいただくことがあります。 雑誌の取材等でも、おすすめ商品を聞かれることがありますが、基本的に銘柄推奨はしません。投資をする人の年齢や職業、属性、どれだけリスクに耐えられるかといった『リスク許容度』などがわからないからです。 前回、初心者で何を買ったらいいか迷うならオルカンがいいのでは、とお話ししましたが、これも決して万人にとっていいというわけではありません。手軽に分散投資できて便利な商品ではあるものの、そのリスクに耐えられない人もいるからです。 皆さんも、投資をしようといろいろ情報収集をしたら、あらゆる人がそれぞれいろいろな商品をおすすめしているのを目の当たりにすると思います。人によってはそういった情報に触れれば触れるほど、迷い、不安になって、誰かに『答え』を求めようとしてしまう…。 そのときはぜひ、銘柄(what)に着目するのではなく、その人はなぜその銘柄がいいと言っているのか、その理由(why)を考えてみてください。『what』ばかりを求めるのは、テスト勉強で解き方がわからないからと解答を見て、わかったような気になっているのと同じことです。 それだとなぜその答えになるのかという『why』を理解していないことになるので、次に同じ問題が出たとしても、また解けなかったり間違えてしまうことになります。 私だって、投資で損をしたことがあります。投資をしていれば誰でも損をする可能性があるのです。 損をしたら、『なぜそれがだめだったのか』を考え、理解しないと、次につながりません。それができない人は、『私は投資に向かない』と考えて、投資をしないほうが安全かもしれません」