次期ハスラーが見えた!(たぶん)
次期型では、バッテリーEVとマイルドハイブリッドが用意されるのでは
スズキは、2023年1月に発表した「2030年度に向けた成長戦略説明会」のなかで、日本市場には2030年度までに、バッテリーEVを6モデル展開し、パワートレイン比率についても、ハイブリッド8割、バッテリーEVを2割にする(乗用車のみ)としている。 このときの資料には、「バッテリーEVラインアップ」として、ハスラーにみえるクルマを含む6つのクルマのシルエット画像が載せられていたが、これらはおそらく、現行車の画像を黒塗りしただけであり、あくまでイメージを表明したものだろう。ただ、eWXがこの(日本市場に展開するとしている)バッテリーEV6モデルと無関係だとは考えにくく、次期ハスラーがバッテリーEVになることは決定路線だと考えられる。 だとすると気になるのは、eWXの充電1回あたりの航続距離が230kmという点。既存のバッテリー技術が前提だとすると、この航続距離ではサクラ/eKクロスEVよりも大きなバッテリーを積む必要があり、価格も250~300万円を超える価格になることを避けることはできない。コストパフォーマンスを重要視する軽ユーザーが、その価格を受け入れるとは考えにくく、またスズキとしても、売れ筋モデルのハスラーを完全にバッテリーEVにしてしまうというリスキーなことはやってこないはずだ。 おそらく、従来型と同じくガソリンエンジンにマイルドハイブリッドユニットを加えたハスラーHIBRIDに、バッテリーEVパワートレインを与えたハスラーEV(仮)をラインアップへ追加。その割合は、資料にある通り、ハイブリッドが8に対し、バッテリーEVが2、といったシナリオになるのではないだろうか。
トヨタのハイブリッドシステムを使うこともできるだろうが、価格が高くなる
スズキはトヨタの技術を利用できるため、既存のマイルドハイブリッドシステムではなく、ヤリスハイブリッドなどに採用されている小型車用ハイブリッドユニット(のパーツ)を活用することも可能だろうが、これを搭載してしまうと既存のハスラーのガソリン車価格(税込136万円~181万円)におさめることが難しくなる。コストに厳しい国内スズキの顧客の需要に合わせるためには、やはり従来型と同様、マイルドハイブリッドの採用にとどめてくるだろう。 また現在のハスラーハイブリッドは25.0km/L(WLTCモード燃費)、CO2排出量も93~99g/kmと悪くはなく、ストロングハイブリッドにする必要性も高くない。 いまある(マイルドハイブリッドという)資産を有効活用しながら、バッテリーEVにもチャレンジをするといった姿勢で進むのが、スズキが考える次期型ハスラーなのではないだろうか。