南海トラフで『ひずむ日本列島』活断層が集中する地域に大地震の足音迫る 4年前、能登半島の謎の地殻変動をGPS予測が察知していた
動きが顕著なのが南海トラフ沿い 四国とか紀伊半島、大きく動いている
(京都大学・防災研究所 西村卓也准教授)「動きが顕著なのが南海トラフ沿い、太平洋側ですね。大きく北西方向に動いていて、それは南海トラフからくる海のプレートが北西方向に押している影響で、四国とか紀伊半島が大きく動いている」 こうしたデータを基に作られたのが『日本列島のひずみ分布図』で、GPSデータを解析すると近畿や九州がオレンジ色になっていて、よりひずみがたまっていることを示している。 (京都大学・防災研究所 西村卓也准教授)「これは西日本、中部地方から九州にかけての地図にひずみのたまりやすさを書き表した図になっています。色が白、緑、黄色、オレンジ、赤にいくにしたがって、どんどんひずみのたまりやすさが速くたまる場所というのを表しています」
「能登半島」の北部で確認された『謎の地殻変動』
そして2021年、西村准教授は研究を進める中で衝撃的なデータを得た。大地震につながるかもしれない変化だった。前例のないデータがもたらされた場所、それは「能登半島」だった。能登半島最北端に位置する石川県珠洲市。このあたりの地盤が2020年12月ごろから3cmほど隆起する「謎の地殻変動」を察知したという。 (京都大学・防災研究所 西村卓也准教授)「25年間のGPSのデータの中では、なかなか前例のないようなことが起こっているのではないかと思います」 「国土地理院のGPSの観測点で、2020年の12月からこの観測点を中心に変動が観測されていまして。だいたい3cmくらい、2020年12月から2021年11月くらいまで隆起が観測されている場所です」
火山のない地域では考えられない数値、群発地震
西村准教授によると「3cm」という地盤の動きは火山周辺ではみられるが、能登半島のような火山のない地域では、通常では考えられない数値だという。こうした動きに合わせるかのように、珠洲市周辺では2021年1年間に群発地震が相次いでいる。震度1以上の有感地震がこれまでに80回近くも観測されているのだ。 地殻変動の原因などは分かっていないが、西村准教授らの研究グループはこうした動きをさらに詳細に探ろうと、地震の震源近くにある珠洲市の2か所に独自のGPSの機器を設置して注意深く調査を続けている。