【速報】隣人男性を暴行死「人が死ぬような力を加えて殴ったことはない」34歳男が起訴内容を「否認」“金銭搾取や暴行”を区役所職員が黙認 逮捕時は「暴行していない…じゃれあう程度」
2022年に大阪府堺市のマンションで、隣人男性を暴行死させた罪に問われている34歳の男。5月13日、大阪地裁堺支部での初公判で「人が死ぬような力を加えて殴ったことはない」と傷害致死の起訴内容を否認しました。被害者に対する常習的暴行、さらには“金銭搾取”の実態が裁判で明らかになるのか注目されます。 【画像を見る】カメラに向かってグッドポーズの楠本被告
肋骨多発骨折による気胸で隣人が死亡 常習的に暴行か
楠本大樹被告(34)は2022年11月、堺市中区のマンションで、隣人の唐田健也さん(当時63)に肋骨多発骨折が生じるほどの暴行を加え、両側気胸で死亡させたとして、傷害致死の罪に問われています。 また死亡に至った暴行以外にも、その約1か月前から、唐田さんに拳で腹部を殴るなどの暴力を常習的に振るっていたとして、暴行の罪にも問われています。 暴行容疑で警察に逮捕された際、楠本被告は「暴行と呼ばれるようなことはしていません。じゃれあうように手でする程度の認識です」と供述していました。
「人が死ぬような力を加えて殴ったことはない」傷害致死罪を否認
5月13日、大阪地裁堺支部での初公判で楠本被告は、常習的な暴行の罪については「間違いない」と起訴内容を認めました。 一方で傷害致死の罪については、「人が死ぬような力を加えて殴ったことはないです」と起訴内容を否認しました。 検察側は冒頭陳述で「被告は唐田さんに、『唐田さんのケガについて被告は一切責任を負わない』という旨の誓約書を書かせていた」と指摘。「肋骨多発骨折は転倒などにより生じたものではなく、被告の強力な暴行によるものだ」と主張しました。 弁護側は冒頭陳述で、被告の暴行と唐田さん死亡との因果関係を争うとした上で、「それまでの度々の暴行も、許されるものではないが、認知症の症状が出ていた被害者へのいら立ちから手を出してしまったケースもあった。被告が被害者を世話していた時もあった」などと主張しました。
金銭搾取や暴行を区職員が黙認 ファミレスでの生活保護費手渡しも…
この事件をめぐっては、楠本被告と唐田さんがいずれも生活保護を受けていた中で、堺市中区役所の生活保護担当職員らが、楠本被告の暴行、さらには金銭搾取を“黙認”していたことが判明しています。 堺市の検証委員会の報告書によりますと、当時の係長やケースワーカーと唐田さんとの面談に、楠本被告が同席することが常態化。さらに被告は、“唐田さんの親族の了解を得て、自分がお金の管理をしている”“自分のスマートフォンを唐田さんが壊したり、唐田さんの就職活動を自分が手伝ったりしているので弁償が必要”として、「弁済金」を要求していたといいます。 しかし係長やケースワーカーは、そうした「弁済金」要求を止めることはありませんでした。2人がファミリーレストランで生活保護費を唐田さんに手渡し、唐田さんがその場で半分以上を楠本被告に手渡したケースもあったといいます。 さらにマンションや区役所面談室などでの被告の暴行を、係長やケースワーカーも目撃していたにもかかわらず、警察への通報や上司への相談は行いませんでした。 聞き取りに対し、係長は「楠本被告の恨みを買うのは避けたかった」、ケースワーカーは「恐怖心があった」などの旨を説明しています。