阪神・井坪陽生、開幕1軍狙う! 決勝打に藤川球児監督も期待「巨人・浅野に見劣りしない」
阪神秋季キャンプ(16日、高知・安芸) 今キャンプ3度目の紅白戦(5回制)が行われ、白組が2―1で勝利した。白組の「6番・中堅」で出場した井坪陽生外野手(19)は五回に中前へ決勝打を放ち、藤川球児監督(44)も同学年の巨人・浅野翔吾外野手(19)に匹敵する素材として高く評価した。佐藤輝明内野手(25)は紅組の「4番・三塁」で1打数1安打だった。秋季キャンプは17日に打ち上げる。 【写真】タイガースのロゴ入りショベルカーに乗って新ファーム施設を視察する阪神・平田勝男2軍監督「さすが阪神園芸やね」 雄々しく構えた刀からはじき返された白球は、瞬く間に中前へ抜けた。今キャンプ最後の紅白戦のラストを飾ったのは19歳の井坪。勝負強さを発揮する〝サヨナラ打〟で安芸に大歓声を巻き起こした。 「追い込まれてからだったので、しっかりと対応できたと思います。よかったです」 結果を残したのは1―1で迎えた最終回の五回2死二、三塁、紅組4番手・佐藤蓮と相対した第3打席だった。フルカウントで124キロの変化球に反応。打球は鋭いライナーで中堅へ達し、三走・前川をホームへ迎え入れた。特別ルールでこのイニングも3アウトとなるまで試合は継続され、ウオーターシャワーを浴びるサヨナラのヒーローにはなれなかったが、試合中盤まで降った雨ですでにびしょぬれ。劣悪な環境下で見守ってくれたファンへ感謝を示す快音でもあった。 来季が高卒3年目。9日の紅白戦でも決勝の適時二塁打を放ち、今キャンプでは存在感を示した。なにより藤川新監督が寄せる期待は大きい。 「走塁、それから守備、打撃でも非凡なものがありますからね。そのあたりは巨人の浅野選手ですか、同級生ですかね、見劣りすることがないと思っていますから」 井坪と同学年で香川・高松商高時代に甲子園をわかせた浅野は、2022年10月のドラフト会議で阪神と巨人が1位指名で競合した強打が売り。今季は1軍で40試合に出場して打率・240、3本塁打、18打点と、ブレークへの助走を果たした。指揮官が下したのは、そんなパンチ力ある逸材にも引けを取らないという高評価だ。 井坪自身は「人がどうこうとかはあまり…。自分が1軍で活躍できるようにやれれば」と意識はしていないが、翻せば見上げてもいないということだ。来季を見据える藤川監督に「ポジションが3つある外野ですからね。(戦力として必要になる)可能性はあるかもしれない」と思い描かせるほど、この安芸の地でのアピールは成功した。