【栗東便り】坂路レコード47秒9!18年ぶり更新は永島まなみ騎手&ジャスパーディビネ
今週6日朝の栗東トレセンで、歴史が動いた。ちょっと大げさかもしれないが“不滅”とも思われた記録が18年ぶりに更新されたのだ。 森秀行厩舎の2歳馬ジャスパーディビネが、坂路でなんと4ハロン47秒9をマーク! 長らくレコードとされていたジョイフルハートの48秒0(06年6月7日)が、ついに塗り替えられた。 「カラ馬やないか?」 タイムを見た時は、そう思ってしまった。当然ながら、馬上に人が乗っていなければ速くなる。実際に、かつて何度か47秒台が計時されたことはあるが、すべてカラ馬だった。 そんな驚きの新記録を樹立したのは、永島まなみ騎手(22=高橋康)だった。軽い体重も貢献したのかもしれない。さっそく感想をたずねた。 「(坂路レコードは)みんなに言われました。道中で飛ばして、最後も12秒3でまとめたのはすごいと思います」 確かに、このラップタイムはすばらしい。12秒7-11秒5-11秒4-12秒3。中盤2ハロンの22秒9という数字も見たことがない。 注目の存在となったジャスパーディビネは、日曜福島9Rの福島2歳S(オープン、芝1200メートル)に出走する。新馬戦を勝った後は小倉2歳S10着、もみじS6着で3戦1勝。過去にも49秒台を2度出した実績があり、身体能力は高い。初騎乗となる永島騎手は「スピードを持っている子なので、1200メートルは合うと思います」と見込んでいた。 前記録保持者のジョイフルハートは08年北海道スプリントC(Jpn3、ダート1000メートル)を制するなど活躍した。レコードホルダーとなったからには、レースでもスピード能力を見せつけてほしい。【太田尚樹】 ◆栗東トレセン坂路コース 85年に完成(当時394メートル)。3度の延長を経て92年に現在の全長1085メートル(タイム計測区間は800メートル)となる。幅員7メートル、高低差32メートル。勾配はスタートから230メートル地点までが2%、以後ゴールまでが3・5%。地面にはウッドチップが敷き詰められている。メインの調教コースとして利用され、調教頭数は1日1000頭を超える日もある。計測は調教ゼッケン上部のバーコードを読み込む方式だったが、12年5月からはICチップを採用している。