アラサーで彼女から「結婚」を急かされていますが、自分が「年収400万円」で不安です。「結婚すれば支出も減るから」と言われていますが、本当に大丈夫でしょうか…?
<図表3(3人世帯の支出)> 総務省統計局 2023年家計調査より筆者作成 支出合計は31万2567円となっており、2人世帯よりも5万円近く高くなっています。もちろん1人あたりの支出で見れば金額は減っていますが、子どもにかかるお金は当然大人が全て稼がなくてはならないため、負担感は強まるでしょう。 子どもを持つ際は、結婚を決めるとき以上にお金についてパートナーとじっくり考える必要があります。
結婚で得られる制度上のメリット
結婚で得られるメリットは、家計の節約だけではありません。制度上のメリットもあります。結婚することで次のような制度上のメリットが受けられます。 ・配偶者控除 ・配偶者特別控除 ・社会保険の被扶養者制度 ■配偶者控除 配偶者控除とは、配偶者の所得が48万円以下(給与所得のみなら年収103万円以下)である場合、納税者の所得から最高38万円が控除される、という制度です。課税所得の金額が少なくなるため、所得税を減らすことができます。 例えば、夫が会社員として働き妻がパートで働いている世帯で、夫の年収が400万円の場合、妻が受け取る給料が年間103万円以下であれば、配偶者控除を受けられます。そのときの課税所得は以下のようになり、190万円という金額から所得税の額が計算されます(社会保険料控除等その他の控除はここでは考えていません)。 ・400万円-給与所得控除124万円-配偶者控除38万円-基礎控除48万円=190万円 課税所得が190万円の場合、所得税率は5%ですので、以下のように9万5000円で済む計算です。 ・190万円×5%=9万5000円 38万円の配偶者控除がなければ所得税率は10%となり、所得税の額は約13万円となります。配偶者控除のおかげで3万円強の税金が節約できた計算です。なお、配偶者控除を受けるには、納税者の所得が1000万円以下である必要があります。収入によって控除額が変わるので注意が必要です。 ■配偶者特別控除 配偶者特別控除は、配偶者の所得が48万円超133万円以下(給与所得のみなら103万円超から約201万円以下)である場合、最高38万円の所得控除が受けられるという制度です。配偶者控除を受けられない世帯でも、配偶者特別控除であれば受けられる場合があります。 配偶者特別控除の金額は配偶者の所得に応じて、段階的に変わります。例えば、夫の年収が400万円で、妻の年収が150万円の場合、配偶者特別控除の額は38万円となります。妻の年収が200万円だと、控除額は3万円に減ります。 配偶者特別控除も所得が1000万円を越えると受けられません。また、配偶者の収入が増えるほど控除額が少なくなるため注意が必要です。 ■社会保険の被扶養者制度 配偶者の年間収入が130万円未満の場合、社会保険の扶養に入ることができます。扶養に入ることで社会保険料を支払うことなく健康保険や厚生年金に加入できるようになります。 配偶者の社会保険料がまるまる節約できるため、これも大きな経済的メリットです。ただし、被扶養者制度があるのは健康保険のみで、国民健康保険には扶養という考え方はないので注意してください。