神戸・王子公園の「まるも珈琲店」が30周年 震災を乗り越え次世代へ継承
王子公園のコーヒー専門店「まるも珈琲(コーヒー)店」(神戸市灘区城内町4)が11月23日、30周年を迎えた。(神戸経済新聞) 1994(平成6)年11月に水道筋商店街の「むね珈琲店」2号店として現在の場所に開店。1995(平成7)年1月の阪神・淡路大震災で「むね珈琲店」は全壊したが、同店は全壊を免れたため電気と水の復旧後すぐに営業を再開した。電車が止まっていたJR灘駅から阪急王子公園駅まで歩いて乗り継いで大阪方面に出勤していた人たちに、カセットコンロを使いながら温かいコーヒーとサンドイッチを提供していたという。以降、近隣の予備校に通う受験生や企業の社員、地域住民から親しまれ、2023年3月には市民に愛され続ける神戸の飲食店を表彰する取組み「神戸名店百選」にも選ばれた。 店主の今井百々代さんは「コーヒー専門店としてコーヒーと音楽、本にこだわり、ずっと飲み続けられる味や居心地の良い場所をつくってきた。毎日来られる方や、職場を退職したり、学校を卒業したりしても来てくれるような良いお客さんに恵まれて良かった」と振り返る。30周年を機に、「むね珈琲店」の頃から通っていた常連の黒田三恵さんに経営を引き継ぐ。黒田さんは「緊張するが、これまでの良さを引き継ぎ、そのままを残していきたい」と意気込む。 営業時間は10時~17時。火曜~金曜定休(2025年1月からは水曜定休)。
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