2025年おせちは平均2万7826円、「コスパ重視」強まる 値上げ幅は過去3シーズンで最小、価格据え置きが目立つ
物価高の影響、おせちの価格に波及 「コスパ」「高級化」の二極化が進行
おせち料理の平均価格は、集計可能な2022年以降3年連続で値上げとなったものの、値上がり幅は360円と昨シーズンの半額以下にとどまった。最大で9連休が想定される年末年始を迎えるなか、長期化した物価高で強まる消費者の節約志向を背景に、主力商品を中心に価格を据え置くケースが多かったことが、全体的におせち価格を抑制した主な要因となった。 百貨店「松屋」が今年8月に実施した調査では、回答が得られた1449人のうち約9割がおせちにかける予算を前年から「増やす・同じ」と回答した。ただ、おせちにかける予算は約2万4000円と、本調査の平均価格から3千円ほど下回るほか、約3割がおせちに対し「品数やボリューム」「お得感やコスパ」を求めると回答するなど、おせちでも価格相応以上の内容を求める節約志向の強まりもみられる。年末年始の帰省需要を見込んだ大人数向けのおせちなどは引き続き予約が好調と聞かれる一方、低価格品への人気集中といった「値上げ疲れ」の動きもあり、価格帯の二極化がさらに進行するとみられる。