「無修正版」もあるよ!「有害図書」認定されたのにアニメ化されちゃったマンガ
「有害図書=アニメ化できない」ではない?
マンガには露出が激しい描写やグロテスクな表現が描かれた作品も多くあり、あまりにも過激すぎた場合「有害図書」に指定されることもありました。文部科学省の公式サイトには、書籍や雑誌などを含む「有害図書類」について「性・暴力等に関する表現が青少年の成長に悪影響を及ぼす可能性があるものとして、条例に基づいて指定された書籍、雑誌、ビデオテープ、ビデオディスク等の出版物」と説明されています。 【画像】え…っ? こんな美女7人と子作り? こちらが『終末のハーレム』絶対放送できない「超ハーレムVer.」です そういったマンガでも、なかには映像化に成功している作品もあります。たとえば、Webコミック配信サイト「少年ジャンプ+」にて連載された『終末のハーレム』(原作:LINK/作画:宵野コタロー)の14巻は、青森県において2022年に有害図書に指定されました。 同作は、病を治すために5年間眠っていた主人公「水原怜人」が目を覚ますと、そこは男性の99.9%が死滅していた世界で、「メイティング(子作り)」を強く求められる、という物語です。設定上、水原が多くの女性からアプローチを受けてハーレム状態になり、お色気描写が数多く登場します。 2021年の時点ですでにアニメ化されたものの、その過激さゆえか2話以降の放送は「表現の精査が必要であるため」という理由で2022年1月クールに延期されました。ちなみに、動画サービスのサブスクでは規制が入ったものと、「無修正Ver.」の2種類が配信されています。 また、ほかの作品では『To LOVEる -とらぶる- ダークネス』(作画:矢吹健太朗/脚本:長谷見沙貴)も外せません。同作は、主人公「結城リト」とデビルーク星の王女「ララ・サタリン・デビルーク」や、「西連寺春菜」らヒロインたちが、過激でバタバタとした日常を繰り広げるラブコメ『To LOVEる -とらぶる-』の続編です。 1作目は「週刊少年ジャンプ」連載でまだ配慮がありましたが、2010年から連載が始まった『ダークネス』は掲載誌を青年誌「ジャンプSQ(スクエア)」に移しており、過激な描写が多くなります。2014年には福島県で同作の9巻が有害図書に指定され、最近でも「これが掲載されてたなんて、すげぇ時代」などの声も出ていました。 昭和の作品では、ジョージ秋山先生が手がけた問題作『アシュラ』の過激さも見逃せません。1970年に刊行された「週刊少年マガジン」に掲載されたものの、一部の自治体で有害図書として指定されました。 同作のテーマは、「カニバリズム」です。中世日本に生まれた主人公「アシュラ」は、空腹状態で母乳が出ない母に焼いて食べられそうになりますが、奇跡的に生き延び、厳しい世界を生き抜いていきます。 あらすじだけでも過激な同作は、時を経て2012年にアニメ映画化されました。原作と同様にアシュラが生き抜くために人を殺めたり、人肉を食したりする場面が生々しく描かれているものの、マンガよりも残酷な描写は抑えられています。また、アシュラを野沢雅子さんが演じたことでも有名で、実際に視聴した人からも「野沢さんの声のおかげでアシュラが暗すぎるキャラにならなかったのが良かった」と好評です。
LUIS FIELD