「僕が勝たせてあげられなかった…批判は受けます」日本シリーズ進出を逃した巨人・阿部慎之助監督の“経験不足”…敗れるなりの理由があった
4年ぶりのセ・リーグ制覇を成し遂げた巨人が、クライマックスシリーズ(CS)、ファイナルステージでDeNAに敗退。12年ぶりの日本一への道は閉ざされた。 【貴重写真】「わ、若い」阿部慎之助監督のドラ1入団当時の貴重カット…“少しロン毛”坂本21歳や謎のカツラな松井秀喜(落合との談笑に広末涼子をエスコート)、私服姿の桑田19歳、溶岩の中をウロウロする槙原など巨人名選手の若き日を一気に見る 「勝たせてあげられなかった。申し訳ないわ。それが一番ですね」 敗れた阿部慎之助監督の試合後の第一声はこうだった。
敗れるには理由があった
3連敗からの連勝で逆王手をかけ、総力戦となったシリーズ第6戦。同点の8回からは第2戦に先発した菅野智之投手を中3日でリリーフ投入。大歓声に送られてマウンドに立った菅野は8回を気合いのピッチングで三者凡退に仕留めたが、9回に捕まってしまった。先頭の森敬斗内野手に右前安打を許すと送りバントの1死二塁から、桑原将志外野手の三遊間のゴロで、一塁への送球間に森が三塁を陥れる好走塁をされてしまう。 そして牧秀悟内野手が三遊間を破って決勝点を奪われた。 桑原の打球で三塁手の坂本勇人内野手が、もう少し二塁走者を牽制して三進を許さなければ……そればかりではない。シリーズを振り返れば、もちろん敗れるには敗れるなりの理由、ミスがあった。 それでも指揮官はこう語る。 「結果がすべてのプロ野球だけど、ここでゼロにはならないと思う。成長したところもたくさんあったのかなって。収穫もたくさんあった。選手は批判しないであげて。僕が勝たせてあげられなかったので、そっちの批判は受けます」 この阿部監督の言葉を聞いて、改めて中日時代の星野仙一監督から聞いたこんな話を思い出した。 「9月からはベンチの戦いや。打てんからとか、打たれたからとかいうのは通用せん。それでもチームを勝たせるのがベンチの仕事や」 ポストシーズンとはまさにベンチとベンチの戦いである。阿部監督もそのことがわかっているから、あえて批判を受ける覚悟を示したのだった。
誰を3番に据えるか「それしかなかった」
ファーストステージで阪神に連勝して勢いに乗るDeNA。一方の巨人は10月2日のシーズン最終戦から2週間の実戦ブランクがあり、しかもシーズン終盤には3番を打って優勝に貢献した吉川尚輝内野手をケガで欠いての戦いだった。 一番の問題は吉川がいなくなった3番に誰を据えるか。シリーズ開幕戦はそのポジションにオコエ瑠偉外野手を、2戦目では中山礼都内野手を抜擢するオーダーを組んだが、結果的にはそれが不発だった。 「それしかなかった」 初戦でオコエを3番に抜擢した理由を聞かれてこう語った阿部監督。それしかないと語ったのは、シーズン後半からの状態の良さを考えればということだった。一方であるチーム関係者からは率直にこんな声も聞こえてくる。 「2人とも調子は良かったんですけど、やっぱりちょっと荷が重かったですよね」 確かに中山のバッティングの状態は良かった。7番に打順が下がった第4戦で初安打をマークすると、第5戦では決勝本塁打も放っている。ただ、経験も浅い若手に意識するなと言っても3番は3番で、しかも1戦1戦の重みが違うポストシーズンある。経験したことのないプレッシャーを背負うのは、やはり重荷になっていなかったか。それより調子の良さを生かすのであれば、負担が軽く、制約の少ない下位打線で自由に打たせた方が持ち味をもっと発揮できたのではないかということだった。
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