海外メディアも紀平vsザギトワGPファイナル対決に熱視線!「最も興奮する選手」「経験不足」
フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルが現地時間6日(日本時間7日)、カナダのバンクーバーで開幕する。注目は女子シングルに初出場する紀平梨花(16、関大KFSC)と、平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワ(16、ロシア)のシニアでの初対決だ。海外メディアも両者の対決に熱視線を寄せている。 カナダのテレビ局CBCは「世界のトップフィギュアスケート選手がバンクーバーの予想のつかないGPファイナルへ押し寄せる」との見出しの記事の中で、今シーズンに起きたサプライズをリストアップ。その中で、トリプルアクセルを武器にNHK杯、フランス杯と連覇してGPファイナルの出場権を得た紀平の台頭を取り上げた。 「日本の10代選手の紀平がデビューシーズンで出場したグランプリ大会で連勝するとは誰も考えていなかった。最も痛快な驚きとしては、この16歳が競技の中でトリプルアクセルを成功させる能力があることだ」と、紀平がトリプルアクセルをSP、フリーの両プログラムに組み込んでいることを紹介した。 また同じくGPシリーズを連勝してGPファイナルに乗り込んでくるザギトワについても触れ、「過去のロシアの若い選手は、伸びる身長に合わせて、テクニックを修正する必要があることから、しばしば第一線から外され休養することがあった。だが、ザギトワに関してはそうではなく、グランプリ大会を2つ制し、ファイナルへトップで選ばれた」とし、7センチ身長が伸びたザギトワが、その影響を感じさせない演技で今シーズンを迎え、今大会の優勝候補であることを報じた。 NBCスポーツは、「ザギトワがGPファイナルで慣れないテストに直面。若いライバルが1人」との見出しを取り、ザギトワと紀平に焦点を当てる記事を掲載した。 「16歳のロシア選手(のザギトワ)は、平昌五輪後の3月に行われた昨シーズン最後の世界選手権で5位に沈んだが、今シーズンは3連勝して見事に立ち直った。9月の初戦では世界最高得点も出した」と、ザギトワが初戦のネーベルホルン杯で今シーズンの世界最高得点、238.43点をマークしたことを紹介した。 だが、その一方で、「(ザギトワは)GPファイナルの優勝候補筆頭だが、そのレベルは最高値にはない。このことは少なくともザギトワの近い将来に対する課題となるだろう」と続け、不安を抱えていることも指摘した。 記事の中で、NBCスポーツの解説を務める長野五輪金メダリストのタラ・リピンスキー氏は、「今シーズンのGPシリーズでザギトワは、完璧で最高な状態にはなく、わずかにつけ入る隙を残している。今までで一番、隙がある状態」と、問題提起している。