外国人観光客は日本にどれだけお金を使っている? 訪日外国人旅行(インバウンド)の消費は過去最高へ
2023年10~12月期の訪日客の旅行消費額がコロナ禍前を超えたと国土交通省観光庁が発表しましたが、外国人旅行者は日本でどれだけお金を使っているのでしょうか。 そこで今回は、訪日外国人旅行(インバウンド)の消費金額や日本への利益・効果について詳しく解説します。
訪日客の旅行消費額が過去最高へ
官公庁によると、2023年の訪日外国人旅行消費額が5兆2923億円となり、過去最高になりました。この数字は、コロナ禍前の2019年と比較して9.9%の増額となっています。 また日本政府観光局(JNTO)によると、同年の年間訪日外客数は2506万6100人で、2019年と比較して78.6%と8割程度まで回復が進みました。 さらに、2023年10~12月期の訪日客の旅行消費額(速報値)は、1兆6688億円と2019年の同期と比較すると37.6%増加し、過去最高となりました。 同様に、日本政府観光局(JNTO)も2023年12月の訪日客数は273万4000人と、2019年同月比で108.2%で、コロナ禍後で単月過去最多となりました。なお、訪日外国人(一般客)の1人当たりの旅行支出は約21万円となり、2019年と比較すると33.8%増額という圧倒的な数値でした。 このように、コロナ禍からの回復だけでなく、円安などにより多くの訪日外国人が来日したことで、消費が増加していることが分かります。
訪日外国人旅行(インバウンド)がもたらす日本への利益
訪日外国人旅行(インバウンド)の消費は、日本の経済に多くの利益をもたらしています。観光地で名所や行事を楽しみ、さらに宿泊や食事、買い物、交通などさまざま分野で消費をします。実際に、一般客1人当たりの旅行支出を費目別に見ると、最も多くを占めるのが宿泊費、次いで買い物代、飲食費でした。 国土交通省の宿泊旅行統計調査でも、2023年1~12月の宿泊者推移を見ると、全体の5億9275万人という人数に対して、外国人による宿泊人数は1億1434万人と全体の約19.3%を占めています。このように外国人旅行者の増加は、雇用創出や地域活性化が進むことで、都市部だけでなく地方でも経済全体に大きな影響を及ぼし、日本経済に大きな利益をもたらしていると考えられます。