ハリルJに復帰したGK川島が誓うメンタルプレーヤーとしての役割
日本代表復帰を果たしたGK川島永嗣(FCメス)が3日、イラク代表およびオーストラリア代表と対戦するロシアW杯アジア最終予選へ向けて、埼玉県内で行われている直前キャンプに一日遅れで合流した。 W杯南アフリカ大会でブレイク、ブラジル大会でも引き続き日本代表のゴールマウスを守ってきた川島だが、招集された25人のなかで最年長の33歳となる今回は、これまでとは異なる立場に置かれている。日本代表を率いるヴァイッド・ハリルホジッチ監督が、「彼がプレーするかどうかは別問題だ」と前置きしたうえで、川島に特別なミッションを託していたからだ。 「エイジは発言力も経験もあるリーダーの一人であり、チームにいいスピリットをもたらしてくれる。厳しい戦いにおいて、彼のグループのなかでの存在感が必要になってくる。メンタルプレーヤーを入れることで気持ちを立ち上げて、チームを底から押し上げる。第3キーパーをメンタルプレーヤーとして扱うのは、各国の代表チームがよくやることだ。エイジにはその役割を担ってほしい」 今夏に移籍したフランス・リーグアンのFCメスで、川島は開幕から8試合続けてベンチ外に甘んじている。ヒエラルキーは2人のフランス人GK、20歳のトーマス・ディリオンと26歳のダビド・オーバーハオザーに次ぐ3番手。クラブからも「2人に豊富な経験をもたらす」とピッチ外の部分で期待されている。 主戦場は控えの選手たちがプレー機会を確保するリザーブリーグ。ハリルホジッチ監督は以前から「所属クラブで先発すること」を特に欧州組に強く求めていて、基準を満たさない川島はUAE代表およびタイ代表と戦ったW杯アジア最終予選の9月シリーズでは選外となっていた。 しかし、9月1日のUAE代表との初戦でまさかの黒星発進を喫したことで状況は一変する。10月の2試合へ向けて「いままでよりもメンタルを出していかなければいけない」と危機感を募らせた指揮官は、ピッチの外で“応援団”を務められる存在として6月のキリンカップ以来となる川島に白羽の矢を立てたわけだ。 3日夕方から行われた練習前には、フランス語も堪能な川島と通訳を介することなく即席会談。ハリルホジッチ監督から招集された意図を伝えられた川島は、この日に合流した選手たちに別メニューとして課されたランニングで先頭を走るなど、意欲的に練習に取り組んでいた。 「どのようなことを話したのかは言えないですけれども、今回呼ばれたことに関しては監督からメッセージをもらったので、自分としてはそれを受けて、このキャンプをしっかりとやっていきたい」