【12月FOMC後の米国株急落をどう読むか】テクニカル分析では「長期上昇トレンドの中での下落局面入り」の可能性、次の押し目買いの目安を算出
12月18日、2024年最後のFOMC(連邦公開市場委員会)が終わり、利下げは予想通りだったものの、今後の利下げについて慎重な姿勢を見せたことから米国株式市場は急落した。その後、株価は持ち直しつつあるが、今回の下落を受け、今後の米国株の動向をどのように見ればよいか。2024年個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんによる、シリーズ「まるわかり市況分析」。森口さんがテクニカル分析をもとに解説する。 【画像】ナスダック総合指数のチャートをテクニカル分析で解説
* * * 2024年最後のFOMC(連邦公開市場委員会)を終えた米国株式市場では、一時的に急落する場面が見られました。この動きは、押し目買いの好機となる一時的な調整なのでしょうか。それとも下落トレンドへの転換の兆しなのでしょうか。主要指数の一つであるナスダックのチャートをもとに、その動向について詳しく解説していきます。
市場に見直しを迫ったFOMCの姿勢変更
12月におこなわれたFOMCで注目すべき変更点は次の2点です。 【1】0.25%の利下げが実行された(予想通り) 【2】2025年の利下げ見通しが4回から2回に修正された FOMC後の記者会見では、ジェローム・パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長が今後の利下げについて慎重な姿勢を示しました。この発言を受け、米株式市場は下落へ転じ、その後急激に下げ幅を拡大しました。 利下げによる金利低下を織り込んでいた市場は、一旦の見直しを迫られた形となり、結果として株価が修正されたと考えられます。
チャートのトレンドと金融政策の転換点の相関関係
2020年以降のナスダック総合指数の日足チャートを振り返ってみましょう。 コロナショック(2020年3月)後、ゼロ金利政策がスタートしました。この時期には、大規模な金融緩和が実行され、「過剰流動性相場」とも呼ばれる局面が訪れ、株価は大きく上昇しました。 それが下落に転じたのは2021年11月のことです。この時期、FRBがテーパリング(量的緩和策による金融資産の買い入れ額を段階的に減らすこと)を発表し、金融政策の転換が意識され始めたのが要因でした。 その後、大底をつけたのは2023年1月でした。このタイミングでは利上げが継続していたものの、米国市場のCPI(消費者物価指数)がピークアウトし、インフレが次第に落ち着いてきた時期でもあります。その後、株価は上昇トレンドに転じ、利下げ局面に入ってからも上昇が続き、直近では史上最高値を更新する場面が見られました。
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