過去の誹謗中傷投稿で自身も被害に「送られてきたDMはずっと記憶に残っている」 SNS上の攻撃なぜなくならない?
人気漫画『セクシー田中さん』の作者で漫画家の芦原妃名子さんが急死した。芦原さんは亡くなる前、日本テレビで放送された同作のドラマ版の脚本を巡るトラブルをSNSで発信。「必ず漫画に忠実」が条件であることを、原作代理人の小学館を通じ日本テレビに確認したにもかかわらず、果たされなかったという。 【映像】ドラマと芦原さん急死をめぐる経緯 今回の件を受け、多くのクリエイターたちが意見を発信している一方で、日本テレビや版元の小学館、そしてドラマスタッフなどへの批判が集まっている。さらには、「作者を追い詰めた犯人探し」や人格を否定するかのような投稿も。日本テレビはホームページ上で誹謗中傷をやめるよう呼びかけたが、それも議論になっている。 人はなぜSNS上で攻撃的になりやすいのか。求められる対策は。『ABEMA Prime』で議論した。
■「“この本読んで”というリンクの飛び先が『完全自殺マニュアル』だった」
SNSの誹謗中傷をなくすため「この指とめよう」を2021年に企画したコピーライターの小竹海広氏。しかし、過去の誹謗中傷投稿が発覚、批判を受ける事態となり、設立から1年経たずに解散した。 投稿していたのは「芸能人に対するストレートな誹謗中傷」だったそうで、小竹氏は「反省も後悔もしている。振り返って思うのは、Twitterのトレンドという仕組みによって、“自分と同じことを周りも言っている”と正当化されると勘違いしたり、自分も飛び乗りたくなるようなバンドワゴン効果もあった。当時はまだネットとリアルの境界線がはっきりしていた実感があり、正月に飲んでいた流れで、心のどこかで“悪いことを言っている”と思いながらも歯止めがきかなかった」と話す。
向けられた批判は「そういう団体を立ち上げた人間が過去にこう言っているのはどうなんだ」といったものに加え、「DMで“今家の前にいるから出てこい”だったり、“今困ってるだろうからこれでも読んで”とリンクが送られてきて、開いたら『完全自殺マニュアル』『人生変えたきゃ自殺しろ』という本だったり。それはずっと記憶に残っている」と明かす。 批判コメントが増える度、自身の心が蝕まれていったという。「1000件を超えたあたりから頭の中がパンクし、1万、2万までいくと“世の中全体が自分のことを人でなしだと思っている”と思うようになった。それが24時間続く。『Twitterを見るな』と言ってくれた人もいたが、やはり難しい。半年ぐらい仕事ができず診療内科に通い、薬を飲むけど夜に動悸で目が覚める、という日々が1年半~2年ぐらいは続いた」と語った。