スマホが学力を「破壊」する、成績不振の新事実 中高生4人に1人が「ネット依存」の恐ろしさ
スマホが学力を「破壊」している
東北大学加齢医学研究所は宮城県仙台市教育委員会と共同で、2010年度より毎年、約7万人の全仙台市立小中学生を対象とした大規模調査(「学習意欲」の科学的研究に関するプロジェクト)を実施しています。調査の結果から、スマホが子どもたちの学力を「破壊」している、そんな恐ろしい現状が浮き彫りになってきました。 「スマホをたくさん使う子は勉強をしないから、あるいは寝不足だから、学力が低いのは当然だろう」私たちも初めはそう考えていました。しかし、勉強と睡眠の影響を考慮した分析をした結果、驚くべき事実が明らかとなったのです。 次のグラフは、平日1日当たりのスマホ等の使用時間が「1時間未満」の子どもたちを対象とした、勉強・睡眠時間と成績の関係を表しています。縦軸が「テストの成績」、横軸が「勉強時間」、そして奥行きが「睡眠時間」の3次元グラフで示しています。標準学力検査の偏差値50以上を灰色、50未満を白色の棒で色分けしています。グラフの右奥側、つまりたくさん勉強をしていてかつ、たくさん寝ている子どもたちほど、成績が高いことが読み取れます。 ここから、スマホ等の使用時間を1時間ずつ延ばしていきます。長時間スマホ等を使っても、勉強や睡眠の時間をしっかり確保していれば問題ないとしたら、グラフの形は変わらないはずです。逆に、スマホ等の使用が学力へ直接的な影響を与えているとしたら、成績上位を示す灰色の棒の数が減っていくはずです。それでは結果を見てみましょう。 スマホ等の使用時間が長くなればなるほど、灰色の棒の数が明らかに減っていく様子が見てとれます。衝撃的なのは「3時間以上」の結果です。灰色の棒が1本も残りませんでした。この結果からわかることは、スマホ等を1日3時間以上使用している子どもたちは、どれだけ勉強を頑張って、きちんと寝ていたとしても、成績が下位に沈んでしまっているということです。 つまり、スマホをたくさん使う子どもたちは勉強をしないから、あるいは寝不足だから成績が低いというわけではなかったのです。この結果から、スマホ等の使用は子どもたちの学力に直接的な悪影響を与えている可能性が高まってきたのです。