庁内アナウンスを担当する岡川祐樹さん＝大分市役所

　「ピンポンパンポン。スポーツ振興課から　職員と市民の皆さんに　お知らせです」 　金曜日の午後2時、大分市荷揚町の大分市役所内のスピーカーから流れてきたDJばりのアナウンス。抑揚のある声に引き込まれていると「あさって10月20日日曜日は大分トリニータのホームゲームです。ぜひ会場にお越しいただき、大分トリニータにあつーい応援をお願いします」と続いた。 　庁内によく足を運ぶ市民は一度は聞いたことがあるのではないだろうか。気持ちのこもった声の主は広聴広報課の職員、岡川祐樹さん（34）。庁内放送は全て同課の若手職員が担当し、職員や来庁者に対して、市役所の取り組みや同市を拠点とするサッカーJ2・大分トリニータなどプロスポーツチームの情報などを伝えている。 　岡川さんは資産税課から広聴広報課に異動して5年目。アナウンスの勉強をしたことはないが、中学時代から音楽活動に打ち込み、喉を鍛えてきた。1年目からアナウンスを担当し、明るい話題の時は声のトーンを上げるなど内容に合わせて声色を変えているという。 　他部署の職員から「あのアナウンスとてもいいね」と声をかけられることもあり、「自分の強みを生かすことができてうれしい」と笑顔で話す。 　20日の大分トリニータのホームゲームは水戸ホーリーホックと引き分け。依然、J2残留は予断を許さない状況だ。11月3日にはザスパ群馬と最後のホーム戦が控えており、「アナウンスを聞いて地元のチームを応援してみようという気持ちになってくれる人がいればうれしい」と岡川さん。市役所を訪れる機会があれば、庁内放送にぜひ耳を傾けてみてほしい。