「お酒を飲んだ日の薬の服用」はどうすればいい? 何時間空けるべき? 【薬剤師監修】
お酒を飲むなら知っておきたい、飲酒後の薬の服用方法
編集部: お酒を飲んだ後に安全に薬を服用する方法はありますか? 山形さん: 重要なのは、アルコールが完全に代謝されてから薬を服用することです。アルコールが代謝されるまで、しっかりと時間を置いてから服用するといいでしょう。 編集部: どのくらいの時間を置くのが適切ですか? 山形さん: アルコールの代謝速度は人によって異なりますが、一般的な目安としては、アルコール1単位(純アルコール20g)を代謝するのに約1~1.5時間かかるとされています。ただし、代謝速度は個人の体重、性別、年齢、肝機能などに影響を受けるため、全員が一緒とは限りません。また、飲むアルコールの量にもよります。一般的には、最後にアルコールを飲んでから2~3時間は空けるべきとされています。服用する薬の種類でも注意の度合いが異なりますね。詳しくは医師・薬剤師に確認しましょう。 編集部: お酒を飲んだ後に服用していい薬はありますか? 山形さん: お酒を飲んだ後に飲める薬には、「飲み過ぎ・二日酔い」に効果がある胃腸薬があります。胃酸の出過ぎを抑えたり、肝臓のはたらきを助けたりする作用が一般的です。飲酒後に服用することでアルコールが原因で発生した不快な症状が楽になりますよ。それ以外の薬と上手に使い分けましょう。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 山形さん: お酒を飲む予定がある場合、薬の服用には十分な注意が必要です。アルコールと薬の飲み合わせは、思わぬ副作用や健康リスクを引き起こす可能性があります。薬を服用する際は、お酒を飲むのは避けるか、充分に時間をおいてから服用しましょう。必要に応じて、事前に医師や薬剤師に相談することもおすすめです。健康は最も大切な資産ですので、不安な時は自己判断せずに安全を第一に考えて行動しましょう。
編集部まとめ
お酒と薬の併用は、思わぬ副作用や健康被害を引き起こす可能性があることがわかりました。そのため、薬を飲む場合には、飲酒を避けることが重要です。注意が必要な薬の種類については、とくに十分な注意が必要です。どうしてもお酒を飲む必要がある場合は、最後にお酒を飲んでから薬を飲むまでに2~3時間は空けることが必要です。迷った場合は自己判断せずに、医師や薬剤師に相談し、安全を第一に考えた行動を心掛けましょう。
【この記事の監修薬剤師】
山形 ゆかり さん(薬剤師) 近畿大学薬学部薬学科卒業。卒業後、総合病院で糖尿病病棟の薬剤師として勤務。病院での経験を通じて「食の重要性」を深く感じ、食に関する資格を取得。現在は、「健康は食から」というモットーのもと、薬膳など食の知識を活かした薬剤師としての啓蒙活動中。薬膳アドバイザー・フードコーディネーター・フードアナリスト