インド事業の"再強化"に打って出る大紀アルミの勝算
大紀アルミニウム工業所はスクラップを再溶解しアルミ2次合金を製造している(イメージ写真:sogane/PIXTA)
経済成長著しいインドの2輪、4輪車向け需要を取り込むべく、大紀アルミニウム工業所(5702)がインド事業の拡大に意欲を見せている。同社はアルミニウムに特化した金属リサイクル事業を展開。柱の合金事業では、使用済みアルミスクラップを再溶解し、アルミ2次合金の地金を自動車業界や板材、サッシメーカーに販売している。 同社の業績を左右するポイントは、原料となる非鉄金属くず(ゾルバ)と製品であるアルミ2次合金との価格差(スプレッド)だ。2020年から中国が環境規制を強化し、スクラップ輸入を規制したため、インドなど各国で安価にゾルバを調達できた大紀アルミに空前の追い風が吹いた。2022年3月期は売上高2360億円、営業利益203億円に達したが、各国の現地企業が合金生産に参入し、スプレッドが縮小。業績は一時的な浮揚にとどまった。
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小島 昇