<チェジュ航空旅客機事故>事故機、鳥類衝突を確認…国土交通部「エンジンから羽毛発見」
韓国国土交通部は7日、務安(ムアン)チェジュ航空事故当時、事故機に鳥類衝突(バードストライク)があったと発表した。事故機のエンジンから鳥の羽も発見された。これまで務安国際空港管制官の警告と生存乗務員の証言などを基に鳥類衝突が事故の最初の原因と名指されてきたが、政府がこの日鳥類衝突の発生を初めて公式確認した。 【写真】チェジュ航空旅客機、着陸前に右側エンジンに炎 航空鉄道事故調査委員会のイ・スンヨル事故調査団長はこの日、政府世宗(セジョン)庁舎で開かれた会見で「事故機からバードストライクが発生したことが確認された」と話した。イ団長は「エンジンに入った土を掘り出す過程で羽毛の一部を発見した」とし「(鳥が)どの種で、どのように(エンジンに)入ったのかはエンジン内部を検査しながら調査する計画」と明らかにした。 また「一方のエンジンは(鳥類衝突が)確実に見えるが、両方のエンジンで一緒に起きたのか、他のエンジンであまりひどくなかったのかは(調査結果を)確認する必要がある」とし「ただし(鳥類衝突が)激しく起きたからといってエンジンがすぐに消えるわけではない」と話した。 イ団長は「ブラックボックスのうち破損したフライトレコーダー(FDR)の場合、大きな問題がなければ、1週間程度で1次分析が可能になるものとみられる」と話した。また「データ引き出しに3日、基礎分析に2日程度かかるとみられる」として「FDR損傷の有無がひどくなければ、一週間以内に1次分析が出るだろうが、損傷がひどければさらにかかることもあり得る」と話した。イ団長はただ「1次分析資料が出てもCVRとCCTVの飛行記録など、すべての状況分析を合わせるには数カ月がかかる」と付け加えた。 国土交通部は務安チェジュ航空事故の被害を拡大したと指摘されたローカライザー(防衛各施設)の「コンクリートの丘」に対しては除去するなど改善作業に着手すると明らかにした。 朴庠禹(パク・サンウ)国土交通部長官はブリーフィングで「ローカライザー構造物(コンクリートの丘)は規定遵守の可否を問わず安全をより考慮する方向で迅速に改善する」と話した。事故が発生した務安国際空港だけでなく、麗水(ヨス)、浦項(ポハン)・慶州(キョンジュ)、光州(クァンジュ)国際空港などにも現在コンクリートの丘が防衛各施設を支えているためだ。 これを受け、国土部のチュ・ジョンワン航空政策室長は「滑走路周辺の安全性の確保が重要であるだけに、各空港のローカライザー構造物の再施工などを含め、改善案を早い時間内に用意する計画」と説明した。現在、韓国政府は全国の空港を対象に滑走路周辺の航行安全施設の位置や材質などに関する特別点検を行っている。 ローカライザーは航空機の安全な着陸を助ける一種のアンテナ装備施設だ。務安空港のローカライザーを支える構造物が硬いコンクリートの丘で設置され、事故機が衝突して被害が大きくなったという指摘が出た。 国土交通部によると、該当ローカライザーは2007年務安空港開港当時から高さ1.8メートル・幅0.26メートル・幅3メートルのコンクリート柱19本を使用した丘の上に設置されたことが把握された。その後、韓国空港公社が2020年5月に務安空港のローカライザー改良事業を始め、2023年9月~昨年2月に既存のコンクリート柱19個の一部を削り、その上に厚さ0.3メートル・幅42メートル・幅3.4メートルコンクリート上板を追加で重ねたことが分かった。 国土部関係者は「警察当局もコンクリートの丘で設計された理由などを捜査している」として「施工の経緯に法的な問題点がなかったのか把握されるものとみられる」と話した。ただし国土部はこの日「国内外規定を検討した結果、務安空港のローカライザー構造物(コンクリート丘)が現行規定に違反すると解釈することは難しい」と明らかにした。該当ローカルライザーが滑走路の縦断安全区域の外に位置しており、区域外施設に対する材質・形状に対して別途の規制がない状態だということだ。 だが、チュ室長は「規定違反の有無と関係なく、ローカライザー構造物が最大限安全性を確保するように設置されなければならないが、空港管理レベルで不十分な側面があったと判断する」と説明した。