【NBA】河村勇輝のNBAスカウティングリポート グリズリーズと2ウェイ契約で2024-2025シーズンに何を期待できる?
河村は守備で奮闘
一般的に、小さい選手は守備において不利だ。だが、河村はそれを覆して武器とする方法を見いだしている。 河村の最大の強みは、何があっても全力を尽くすことだ。グリズリーズのプレシーズン最終戦の終盤も、各選手がシンプルに時間を進めようとする中で、河村はボールに向かってダッシュし、ダブルチームをして、相手のターンオーバーを誘おうとした。 そんなハッスルぶりは、河村のパフォーマンスで何度も目にする。フルコートで相手を追い、バックコートでいつも相手をとらえる。ボールを奪う機会があれば、身を投げ出すこともいとわない。 河村はフィジカルな戦いを恐れず、NBAのセンターたちが相手でも飛び込んでいく。また、非常に素早く、スクリーンをかけるのが難しい。そういった傾向はプレシーズン初戦にも見られた。この試合で河村は守備で大きなインパクトを残している。 フロア上でのポジショニングは総じて卓越している。河村は賢いディフェンダーで、テコのトリックをうまく使い、自分より大きな選手たちを前に入り込む。身長の低さは問題となるだろうが、ほかのやり方でそれを補うのだ。
河村に必要なのはNBAの3ポイントラインへの適応
オリンピックでの河村は3ポイントショットが優れていた。1試合平均約11本の試投で成功率40.6%を記録している。だが、プレシーズンマッチでその力を発揮することはほとんどできなかった。3P成功率は25.0%、フィールドゴール成功率も21.1%にとどまっている。 河村がリーグでローテーションプレイヤーとして出場時間を得るためには、プルアップからの3Pを決められるようにならなければいけない。それが、オリンピックで彼が成功した要因のひとつだったのだ。リリースは速く、フォームも良い。いずれ決められるようになることが期待される。
2024-2025シーズンの河村に期待できること
河村はグリズリーズで2ウェイ契約を勝ち取った。そのため、NBAとGリーグ傘下のメンフィス・ハッスルを行き来する。今季のNBAレギュラーシーズンで出場可能なのは最大50試合だ。 グリズリーズにはすでに多くのガードがいる。開幕を迎えるにあたり、ジャ・モラント、マーカス・スマート、デズモンド・ベイン、ルーク・ケナード、スコッティ・ピッペンJr.は、いずれも河村の前にいる選手たちだ。河村が出場時間を得るのは難しいだろう。 今のところは、そういった選手たちが負傷した場合などに備えておくことが必要となる。23歳という年齢から、グリズリーズは今現在よりも彼の将来に投資しているようだ。
Stephen Noh(翻訳:坂東実藍)