【毎日書評】よい習慣を身につけるには「脳のGPS」機能が高めるのがポイントだった
原理2 「実現できる気しかしない!」──「自己効力感」が脳のラス機能を強化する
「自己効力感」はカナダの心理学者アルバート・バンデューラによって提唱された概念です。 これは「人が行動や成果を求められる状況において、自分は必要な行動をとって、結果を出せると考えられる力」のことです。 簡単にいいますと、「自分ならばできる」と考えられる状態です。 ですから、「自分は達成できる」「自分には能力がある」という確信があれば「自己効力感が高い」といえます。 一方で、「自分位は無理だ」「自分には能力がない」と思ってしまえば、「自己効力感が低い」といえます。(49~50ページより) では、なぜ習慣化に自己効力感が必要なのでしょうか。また、自己効力感が高いと、なぜ脳の「GPS機能」(ラス)が働くのでしょうか? その答えは、自己効力感が特定の課題や目標に対する信念であることに関係しているようです。そして、「私はできる」「できないはずがない」という信念が強ければ、目標を明確に視覚化できるそう。 たとえば、起業時に「絶対に5年後に年商1億円にする」と自信があればあるほど5年後の自分の姿、事業内容や年収、ライフスタイルなどが鮮やかにイメージできるはずです。 そして、イメージできればできるほど脳のラスはそれを重要な情報と思い込み、目標達成に必要な情報に焦点を当てます。(47ページより) そのため結果的に行動を起こしやすくなり、それが習慣化につながるというわけです。(49ページより)
原理3 「それそのものが楽しい!」──「内発的動機」が脳のラス機能を定着させる
最後の「内発的動機」は、文字どおり人の内側から湧き上がる動機。内的で本質的な欲求によって引き起こされるもので、「個人の行動を後押しする内面から湧き上がるモチベーション」と考えるといいそうです。 お金や名声、出世、評判などではなく、物事に対する興味や関心、そこから生まれるやりがいや達成感、楽しさなどがあてはまるようです。端的にいえば、人にどう思われるかは関係なく、損得でもない。自分が好きだから没頭する、行為そのものが楽しいから取り組むということ。 内発的動機は脳の「GPS機能」を定着させます。それには感情が大きな役割を担っています。 内発的動機は内面から湧き上がるモチベーションですから、個人の情熱や好奇心に深く根ざしています。 楽しさや嬉しさや喜びなどですね。 この情熱や興味が脳によって認識され、ラスを通じて注意を引くと、感情の中枢が活性化されます。 その行為をすると楽しい、嬉しいなどのように感情と結びつくわけです。(61ページより) そして感情の結びつきが強いほど、脳はその情報を重要視し、ラスはその情報を長期記憶として定着させる傾向があるということです。(60ページより) なにかひとつ、よい習慣が身につくと、その他の多くのことの習慣化にも派生する──。本書を通じて著者が訴えているのはこの点です。逆にいえばこれまで習慣化できなかったのは自分の能力のせいではなく、取り組みの方法が適切でなかったからにすぎないということ。そこで本書を参考にしながら、習慣化の定着を目指したいところです。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: SBクリエイティブ
印南敦史