広島にあって阪神に足りないものはナニ?藤田平氏が“大振りの2人”に警鐘 「まずはジャストミート」
「広島1-3阪神」(23日、マツダスタジアム) 阪神が首位広島との“直接対決”3連戦の初戦に勝ち、4ゲーム差とした。先発した高橋遙人投手(28)の好投と得意の継投で逃げ切ったが、デイリースポーツ評論家の藤田平氏は攻撃の物足りなさを指摘。特に無安打に終わった「大山と梅野の2人」をV戦線反撃のキーマンに挙げた。 ◇ ◇ 広島との直接対決に先勝した阪神ではあるが、不満の残る試合にもなったね。この日の玉村は立ち上がりの悪さも顔をのぞかせ、決してよくなかった。なのに3点しか取れなかったからだ。 ヤクルト戦で2試合連続本塁打していた大山が、また悪い時の大山に戻っていたように思う。今年は去年のようにボールを選ぶことができず、振りも大きいね。だから少々よくなっても持続性がない。初回をはじめ、3度の得点機に凡打を繰り返していては大量得点など望めないでしょう。 (初回、森下と佐藤輝の連続三塁打で先制点を挙げたが、続く大山は三振。三回は二死一、二塁で初球、外角の変化球に手を出し遊ゴロ。五回二死二塁は左飛) タイミングが合ってない。本調子ではないね。風がセンター方向へ吹いていたから、それに乗せるように、まずはしっかりミートするとかね。 ヤクルト戦で2試合連続本塁打していて、それが逆に彼を狂わしたのかな。ホームランは当然、チームにとってありがたいものだが、広島や巨人など上位チームの好投手相手に打ってこそだろう。 佐藤輝がよくなってきているが、理由はむやみにホームランを狙わずミート重視の打撃を意識しているからだ。 大振りの傾向は梅野にも見られる。ホームランバッターのようにバットをいっぱいにもって振り回す打撃を、いいかげんにやめないといけない。 広島がなぜ今の位置にいるか考えるべきだ。先発、リリーフともハイレベルな投手陣が目立つ一方で、力をつけ始めた攻撃陣も見逃せない。 ひとつの四球、ひとつの敵失をきっかけにして得点につなげる嫌らしい攻撃は、打席での粘りから始まっている。チャンスで打つだけではなく、チャンスを作り出す粘りだ。去年の阪神がそういう試合をしていた。今は正反対だ。 2戦目は大瀬良が先発予定。強力な中継ぎ陣も含め、阪神打線はどう打ち崩していくのか。 阪神がラストスパートをかけるための重要な意味をもつ3連戦になる。直接対決は残り5試合。まだまだ逆転Vの可能性はある。連覇を実現するためにも、それぞれが“ジャストミート”を心がけることだ。