みんなで生成AIを使って生産性を高めよう! 超手軽なのに便利な使い方を紹介
本連載は生成AIをこれから活用しようとしている方たちのために、生成AIの基本やコピペしてそのまま使えるプロンプトなどを紹介。兎にも角にも生成AIに触り始めることで、AIに対する理解を深め、AIスキルを身に着けて欲しい。第1回は「ChatGPTで連載タイトルを考えてもらう」 【もっと写真を見る】
本連載は生成AIをこれから活用しようとしている方たちのために、生成AIの基本やコピペしてそのまま使えるプロンプトなどを紹介。兎にも角にも生成AIに触り始めることで、AIに対する理解を深め、AIスキルを身に着けて欲しい。 AIを使わない日本人もったいない! 一昨年から生成AIが大きく盛り上がり、ものすごいスピードで性能が向上し続け、雨後の筍のように多数のサービスが登場した。ChatGPTを皮切りに、GoogleのGeminiやAnthropicのClaudeなどがしのぎを削り合っている。どこかが新機能を発表すると、他も負けじと追随するなど生成AIブームはヒートアップ中だ。 しかし、そんな熱狂を横目に、そんなに慌てないでもいいでしょう、という人もとても多いのが日本。総務省が発表した「情報通信白書」によると、個人が生成AIを使っている、もしくは使ったことがあると回答したのはわずか9.1%。この中には、一度触っただけ、という人も含まれている。しかし、アメリカではこの回答が46.3%、中国にいたっては56.3%と半数を超えている。 これはすごくもったいない状況だと感じる。マッキンゼーは今後生成AIが毎年4兆4000億ドル(645兆円)もの経済的利益をもたらす可能性があると発表した。日本の名目GDPを超える規模となるので、今後の日本もがっつりとパイを取りに行って欲しいところ。 皆がAIを使うようになれば業務効率が向上するし、労働人口の減少といった社会課題を解決できる可能性がある。日本のAI市場が大きくなればお金が動いて、また新しいAIビジネスが生まれてくる。実際、ChatGPTを開発しているOpenAIは、世界で4都市目、アジアで初の拠点を東京に開設している。当時、日本でChatGPTを使っていたユーザー達が世界で3番目のトラフィックを得るほどハマっていたからだ。 とはいえ、業務にAIを導入するとなると、ある程度の知識が必要になる。まだAIは万能ではないので、苦手なこと、できないことがたくさんある。しかし、完ぺきに動作するAIを求めていると、またガラパゴス化してしまう。すでに一定レベルの性能を持っているのだから活用しなければ損だし、ライバルに差を付けられてしまう。 そこで本連載では、まだAIを仕事で使っていない、という方にChatGPTのような生成AIの使い方を解説していく。AIについての理解を深め、今後DXに活用するためのスキルを身につけることが目的だ。とは言え、皆さん忙しく、ゆっくり学習時間を確保する、なんてことは無理だろう。そこで、すぐに業務に役立てられる活用法を紹介していく。無料もしくは低コストで、超簡単な使い方から始めるので、まだ生成AIを使っていない、という人でも十分にチャレンジできる内容にする予定だ。 業務効率が10倍に跳ね上がった、1億円の経費削減ができた、1日で執筆した書籍が出版された、などというトークがSNSで飛び交っているが、氾濫する情報に翻弄されないことをお勧めする。実際にこれらのことは生成AIで実現できるのだが、これから使い始めるならまずは最初の一歩から。 Excelであれば、まずは表を作って、合計を出すようなレベルから、生成AIを使い始めてほしい。それもできないのに、複雑な関数を使ってマクロを組んで業務システムを構築するなんて無理に決まっている。とは言え、Excelを学ばないで適当に使っていると、「神Excel」のような技を生み出し、業務効率を低下させてしまうことにもなりかねない。 AIを使うのは難しそうに見えて自転車に乗るようなものなので、AIを使っていれば、そのうちうまく使えるようになる。今すぐに触りはずめることが重要だ。 無料でも使えるChatGPTで連載タイトルを考えてもらう まずは、ChatGPTを開いてみよう。ログインもサインアップも不要で、そのまま利用できる。画面下の「ChatGPTにメッセージを送信する」という欄に文章を入力すると、その返事を出力してくれる。この入力する文章のことをプロンプトと呼ぶ。とは言え、ログインなしでは性能を抑えたAIモデルしか利用できないので、GoogleアカウントやMicrosoftアカウントなどでログインすることをお勧めする。 今回は、本連載の連載タイトルを決めてもらおう。どんな内容にするのかをプロンプトに入れ込み、!を使わない、といったルールを決めて、考えてもらった。30個の案を出してきたので、そこから一つ選んでもらったところ、「簡単すぎて驚く生成AIの使い方」となった。もちろん、筆者の意向通りのタイトルなので採用させてもらうことにした。 #プロンプト あなたは凄腕のコピーライターです。これから生成AIを使おうとしている人向けに、ASCII.JPという媒体で、連載を始めます。その連載タイトルを考えてください。生成AIの初歩から、実際に誰もが仕事やプライベートに活用できる、具体的な利用法まで紹介していきます。タイトルは読者の興味を引くように、キャッチーなカジュアルな感じで、豊富なバリエーションを提示してください。タイトルには:や!を使わず、日本語の1文節で作成してください。 皆にAIを使ってほしい、今からでも間に合う、超簡単、といったニュアンスを入れて、気軽に試したくなるようなタイトルを全力で考えてください。 #出力 1. AIがあなたの生活を変える最初の一歩 2. 今日から使える生成AIの秘密 3. 迷わず始めるAI活用術 4. 誰でもできる生成AIの簡単活用法 5. AI初心者でも安心のやさしい活用ガイド 6. 生成AIで仕事もプライベートももっと楽しく 7. 今すぐ始めるAIの便利な使い方 8. AIって意外と簡単と思えるガイド 9. これならできる生成AIの基本と応用 10. AIを日常に取り入れる超簡単アイデア ~略 #プロンプト あなたは編集担当です。1つ選ぶとすると、どれがいいと思う? #出力 私が編集担当として1つ選ぶとしたら、「簡単すぎて驚く生成AIの使い方」です。 理由としては: 1. **キャッチーさ**:タイトルを見ただけで「え、そんなに簡単なの?」と興味を引く要素があります。 2. **初心者への訴求力**:「簡単」という言葉が特に初心者に響きやすく、「私にもできそう」という安心感を与えます。 3. **具体性**:「驚く」「使い方」という言葉で、読者が「実際に役立つ内容」があることを期待させます。 4. **親しみやすさ**:堅苦しさがなく、カジュアルで身近に感じられる表現です。 生成AIを使うときに注意しておきたいポイント 基本的に、生成AIから得られた出力を利用する権利はユーザー側にある。文化庁によると、出力が著作物に当たるのかどうかは、プロンプトなどを駆使して、自分の意思で求める成果物を出力させているかどうかによる。ランダム生成ボタンなどをワンクリックして生成したものに関しては著作権が発生しないということだ。AIを道具として出力させたのであれば、ユーザーが著作者になると考えられるとのこと。 著作権侵害が発生するかどうかについては、AIを使わないで生成した場合と同じように判断される。つまり、「類似性」または「依拠性」が認められるかどうかが判断基準となる。 入力したデータがAIの学習に利用されることがある、というのも理解しておきたい。例えば、個人情報や会社の機密情報を入力して学習に利用されると、将来、いつか誰かの出力にその情報が出てくる可能性がある。 有料プランを契約したり、学習を拒否する設定にすることで、入力した情報を利用されなくなるので、覚えておこう。ちなみに、ChatGPTをログインなしで利用する場合は入力したプロンプトは学習に使われている。無料プランやChatGPT Plusプランの場合は設定から「モデルの改善」をオフにすれば学習に使われなくなる。 生成AIを今すぐ使い始めて、AIスキルを高めてほしい。本連載で誰でも使える基礎の基礎から使い方を紹介するので、何となくでもいいのでプロンプトを入力する癖を付けよう。自転車を乗るのと同じように、そのうち意識せず生成AIに入力するようになる。さぁ、勉強するぞと時間を確保することもなく、「出張の持ち物リストを作って」でもいいので入力してみよう。最新の生成AIの賢さに驚くこと請け合いだ。 もし、生成AIの成果物が使い物にならない、と感じたなら、それはAIへの理解やスキルが足りないからだ。生成AIは万能ではないが無限の可能性を秘めているので、ぜひみんなで活用していこう。 文● 柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水