笹生優花の自宅を訪問 テキサス州ダラスで過ごす22歳の素顔
■アニメからもらった勇気と希望
移動の合間や自由時間は、「ドラゴンボール」や「ワンピース」などの日本アニメ、動画配信サイトで「韓国ドラマやヒストリー的なノンフィクションもの」を見ることが多い。好きなキャラクターは「ワンピースに出てくる『エース』。一番カッコ良くて、シンプルで好き。その次は『孫悟空』(ドラゴンボール)と『ルフィ』(ワンピース)かな」 共通するのは、どのアニメキャラクターもかなえたい 夢を胸に冒険に出るということ。作品を通して「勇気や希望をもらっています」と言う笹生もまた、あらゆる世代に夢を与える側の一人になった。 プライベートでも自宅とゴルフ場を行き来する時間がほとんど。それでも、スポーツ大国の米国で他競技のスポーツ観戦をしたことは2回だけある。 「1回目は、ジョージア大学に進学しようと思っていた17歳のときにアメリカンフットボールを。2回目は、まだ大谷翔平選手がロサンゼルス・エンゼルスにいる時にダラスで試合があって。妹やお父さんとかと一緒に見に行って大谷選手のホームランを見ました」。試合観戦に限らず映画鑑賞など長時間座っていると「なんだか眠くなっちゃう」笹生でも、この時ばかりは盛り上がったという。
■笹生家のモットーは「自分でする」
「できることは自分でする」のが笹生家のモットーだ。試合で着用した衣類の洗濯やスポンサーのロゴワッペンを張り付ける作業は自らの手で行い、洗剤がなければ買い足しに出向く。1階にあるプールの管理も笹生の役目。設置した監視モニターを見て、不具合が起きていないか試合の合間にチェックしている。 「スポーツ選手だと色んな人が手伝ってくれたりする。でも、自分でできるようにしないとプロゴルファーの前に『人間としてどうなの?』って。子どもの時から、自分のことは自分でやるように教わってきた。人に頼ることもあるけど、できるだけ自分でやる。特にゴルフに関しては自分で準備しないと心配になる」
正和さんの目には、さまざまな失敗を経て成長してきた姿に映っている。幼少期はよく「忘れ物をする子」だった。ゴルフ場にキャディバッグを忘れて帰宅したこともあれば、ゴルフシューズを持って行かずにコースに行った経験もあるそうだ。 自立への意識を強めたのは、日本のプロテストを受けることを意識し始めた18歳あたりから。「自分のミスなら『しょうがない』ってなるけど、人に頼んで思い通りになっていなかったら『なんで』ってなる。疲れちゃうし、『自分でやっておけば良かった』って思う自分も嫌になる」。できることは自分でする。そんな家族のモットーも、笹生というプロゴルファーを形成するルーツの一つになっている。