“推しにすぐ影響される自分”を楽しむ|あくにゃんのA面
共感される行動の背景にある理由を明らかにするインタビュー企画。数多くのユーザーに支持されるクリエイターにA(Action)面とB(Business)面の両面から、その行動の原理を探ります。第2回に登場するのは、あくにゃんさん。A面ではYouTubeをベースに、SNSで活躍の幅を広げるあくにゃんさんのパーソナルな部分をQ&A形式で解剖していきます。 【あくにゃん】 K-POP、日本のアイドル、地下アイドルなど、さまざまなアイドルを推す男性アイドル好きYouTuber。 普段は会社員として働くかたわら、国内外の現場に通うヲタクとして、YouTube「あくにゃんちゃんねる!」を更新中。 著書に『推しがいなくなっても、ぼくはずっと現場(ここ)にいる―誰も語らなかったアイドルヲタクのリアル―』(主婦の友社)。
「大人たちに分からないようにしたい」若者文化が求めるもの
Q.普段最も利用するSNSはなんですか? YouTubeを見ている時間が一番長く、常に流しながら過ごしています。XやInstagramもよく使いますね。とくにInstagramは、自分がオタクであり推し活をしているからこそ、推しやオタク友達のちょっとしたことでも知りたくて、ストーリーを中心に見ています。 Q.訪問先(店)選びの際にはどのように検索し参考にしますか? 選び方は大きく2つあります。1つは、推しが行った場所に行くこと。推し活をするような感じですね。もう1つは、投稿することを前提としてTikTokでバズっている場所に行きます。その場合は、自分が行きたいかどうかよりも、紹介した投稿が伸びるか、フォロワーが求める情報かを重視して選びます。
Q.コミュニケーションの取り方の変化について教えてください。 家族や友達などとは、基本的にLINEでコミュニケーションをとっています。また、オタク友達とは、界隈ごとにグループがたくさんあり、それぞれで情報共有などをしています。 Q.今若者の間でトレンドとなっている商品や、サービスなどはありますか? オタクの間でのトレンドですが、最近はアイドルを2次元のキャラクター化することが増えています。そのキャラクターのぬいぐるみやグッズが急増している印象です。 おそらく若者のなかには、「大人たちに分からないようにしたい」みたいな潜在意識があるんだと思います。例えば、昔流行ったギャル文字やハングル文字って、学校の先生は読めないけれど自分たちだけに通じる暗号みたいなものでした。それと同じで、大人には普通のぬいぐるみにしか見えないけれど、K-POP好きが見れば、どこのグループの誰推しかすぐにわかる。そんな、オタクたちの共通言語になっているんだと思います。 Q.普段何にお金を費やすことが多いですか? 特典会のためのCDを購入することが多いです。僕は、推しに認知されて一緒に頑張っていくことが好きなので、推しと直接喋りたいんですよ。でも、そのためには特典会に参加しなければならず、参加するためにはCDを大量に購入する必要があります。推しと話すためなら、つい歯止めがきかなくなってしまいますね。 Q.商品購入までのプロセスを教えてください。 どのような商品を購入する場合でも、めちゃくちゃレビューを見ます。ただ、商品サイトに書かれている口コミはあまり信用していなくて、参考にするのはTikTokやYouTubeの動画です。だいたい10本くらいは見て、さらに動画に対するコメントも数十件は確認します。総合的に判断してから購入を決めています。