山本卓卓×益山貴司の初タッグ、音楽劇「愛と正義」に一色洋平・山口乃々華ら出演
「KAAT神奈川芸術劇場プロデュース 音楽劇『愛と正義』」が来年2月21日から3月2日にかけて、神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオで上演される。 【画像】山本卓卓(他2件) 本作は、範宙遊泳の山本卓卓による新作戯曲を益山貴司が演出する舞台作品。既報の通り、長塚圭史芸術監督の4年目のシーズン「某(なにがし)」の最後を飾る作品として、山本と益山が初タッグを組むことは発表されていたが、このたび公演の詳細が明らかになった。 “愛と正義”をテーマにした新作「愛と正義」では、人を助けることを生業とするヒーローたちの世界にした物語が展開する。人を助けることを諦めそうになるヒーローや、人を愛することをやめようとする人間たちがいる、“愛と正義”が両立しない状況下で、人はどうするのか。現代にはびこる“争い”に、山本と益山が言葉と物語、暗喩と愛で問いかける。 出演者には、主人公ヒノムラコチ役に一色洋平、その妻ヒノムラソチ役に山口乃々華、コチの相棒イセガメカレ役に福原冠、カレのパートナーであるサクラザカカノ役に入手杏奈、コチのいとこでのちにコチと敵対するエビナウチ / アク役に坂口涼太郎が名を連ねた。 なお、本作は山本が構想する三部作の第二部となり、語り(歌)と対話で物語が進行する。音楽をイガキアキコ、振付をBATIKの黒田育世が手がける。山本は「生きていなければ出会えない。そういう演劇です」、益山は「なんともワクワクするようなこの戦慄……! そんな山本戯曲に、『愛嬌と誠実』で立ち向かっていきたいと思います」とコメントした。チケットの一般販売は12月14日にスタート。山本、益山のコメントの全文は以下の通り。 ■ 山本卓卓コメント この世界で起きているさまざまなこと、そして私の身の回りで起きているさまざまなこと、難解でありながらも活き活きとしたもの、単純でありながら邪悪であるもの、投げ出したくなるねじれた諸問題、解明したい謎の苦しみの根幹、シンプルに幸福を感じる瞬間、けれど幸福であってはならないと己の中に巣食う悪魔、人への疑い、人からの疑い、経年、嘲笑、若い人々の台頭、ないがしろにされる老い、ひるがえってなにもかも美しいと思える心、しかしさらにそれをひるがえし美しくなくしてしまう醜い心、これらすべてが無であると、空であるという認識、生きることに意味などないという拡大解釈、生きることに意味を見出しすぎる誇大妄想、いろいろあれど、この文章を読んでいる人はみな生きている。生きていなければ出会えない。そういう演劇です。 ■ 益山貴司コメント 「愛と正義」について考えてみると、胸がかき乱される。 なぜなら、そう短くない自分自身の人生を振り返ったとき、これまで本物の「愛と正義」を持てたのか、それほどまでに切実な感情を抱けたのか、時には巨大な暴力を巻き起こすこの二つの絶対感情(という言葉があるかどうか知らないが)に身を焦がしたことはあるのか、と。山本卓卓氏は、もうタイトルだけで私の心を抉る。稽古に入れば、そのセリフと物語にキャストとスタッフも抉られ、本番では観客の心を抉るのだろう。ああ、なんともワクワクするようなこの戦慄……! そんな山本戯曲に、「愛嬌と誠実」で立ち向かっていきたいと思います。 ■ KAAT神奈川芸術劇場プロデュース 音楽劇「愛と正義」 2025年2月21日(金)~2025年3月2日(日) 神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ □ スタッフ 作:山本卓卓 演出:益山貴司 音楽:イガキアキコ 振付:黒田育世 □ 出演 一色洋平 / 山口乃々華 / 福原冠 / 入手杏奈 / 坂口涼太郎 / 大江麻美子 / 岡田玲奈 ※神奈川県民割引、U24チケット、高校生以下割引、シルバー(65歳以上)割引あり。