売春宿で働くアメリカ人親子…「45歳の新人」の母親は娘に誘われて売春婦になった
19歳で出産し必死に働くが、給料は低かった
その後、彼女は恋に落ち、18歳で妊娠。19歳で娘を出産する。 「19で結婚したものの、その選択は間違ったものでした。娘の父親とは続かず、シングルマザーとして子供を育てました。レストランでは2008年まで働きました。娘が6歳の時、コミュニティーカレッジに入学し、こちらも問題なく終えています。今でも4年制の大学に入り直して、ビジネスか会計を学びたいと思っています」 かつての夫を「娘の父親」と表現したところに、ローラリーの心の傷が見えたような気がした。その彼の職業や、結婚生活の長さなどは、答えようとしなかった。子供への躾について質問すると、口を開いた。 「私の生活が苦しいものだったので、『人間にとって一番大事なものは安全だ』と伝えました。帰る家がある。雨露を凌げる。3度、食事ができる。きれいなシーツとベッドがある。人間には、そういう暮らしが大事なんだ、と。 娘が幼かった頃は、ダンス、サッカー、Tボール、ソフトボール、バレーボールなんかに興味を示し、送り迎えを必死でやりましたね。あの子が6歳からはTutor(個別指導教官)をつけて学ばせました。本人が希望することは、なるべくやらせてあげたかった」 2008年、銀行のコールセンターの仕事を見付け、転職する。 その後、45歳でRanchに身を置くことになる。その背景には、娘から言われた衝撃的な言葉があった。後編『「ママ、体を大事にして」45歳で売春婦になった女性…“親子”で合法風俗で働く「仕方ない事情」』に続く。
林 壮一(ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属)