『降り積もれ孤独な死よ』顔に傷のある男がついに正体を明かす 吉川愛の担った役割
謎に満ちた物語が終わりを告げようとしている。『降り積もれ孤独な死よ』(読売テレビ·日本テレビ系)第9話はヒロインの足跡を回顧するものだった。 【写真】笠松将が演じた“顔に傷のある男”瀬川涼 山中で見つかった白骨死体の主は消息不明の神代健流(杢代和人)だった。蔵土村で冴木(成田凌)を襲った顔に傷のある男は健流ではなかった。男は駆けつけた五味(黒木メイサ)によって逮捕され取り調べを受けるが身元を明かさない。冴木たちは花音(吉川愛)とのつながりをたどって男の正体を突き止める。 最終話目前で名前が明かされた人物。彼、瀬川涼(笠松将)こそは一連の事件について真相を知る者だった。瀬川は児童養護施設で花音と知り合い、兄妹同然に接してきた。花音が灰川十三(小日向文世)に引き取られてからは別々の人生を歩んだが、ほどなくして花音が実母(西原亜希)と暮らし始めてから偶然再会。しかし、実母に搾取される花音を見捨てておけず予想外の行動に出る。 花音を守るという瀬川の誓いは、灰川邸事件の発覚後、灰川との接触を経てより明確な目的を持ったものへと変質した。その結果が度重なる襲撃や事件周辺の目撃情報である。ただし、瀬川は花音の実母が死んだ放火事件の犯人だったとはいえ、それらはいずれも花音を守るためで、灰川邸でも注射針で危害を加えようとする鈴木(佐藤大樹)を未然に防ぐ点に主眼があった。そのことは花音も理解していて、だからこそ蔵土村で冴木を攻撃する瀬川を制したと思われる。 瀬川の行動が花音を守るためであることはわかった。では何から守ろうとしたのか。最初に挙げられるのは、灰川邸事件の犯人で13人の少年少女を死に至らしめた鈴木である。灰川が瀬川に花音を守ってほしいと言ったのは、実の息子である鈴木の犯行が念頭にあったことは確かだろう。しかし、それにとどまらない。鈴木の死後も瀬川は花音を遠巻きに監視し続けており、幼なじみの花音に健流やマヤ(仲万美)同様の危険が迫っていることを把握していた。その正体について瀬川は明言しなかったが、第9話を最後までご覧になった方ならすでに予想がつくはずだ。