祖父から譲り受けたトヨタ「パブリカ スターレット」に日産510型「ブルーバード」から乗り換えた理由とは?「生涯手放すことはありません」
パブリカ スターレットを自分好みにアレンジ
古いクルマに乗るきっかけは人それぞれで、十人十色のストーリーがあります。今回紹介する1976年式のトヨタKP51型「パブリカ スターレット」に乗る“リョー”さんの場合は、自身の愛車の事故をきっかけに祖父が大切に乗っていたクルマを譲り受けたことでした。「乗ってみればとても楽しく、次第に自分好みの仕様へと変えていってしまった」と話す“リョー”さんの愛車を見ていきます。 【画像】純正シルバーボディとホイールの組み合わせがカッコいい! トヨタ「パブリカ スターレット」を見る(17枚)
祖父から譲ってもらった大切な1台
昭和の旧車に囲まれた環境の中で育ったせいか、36歳の“リョー”さんは昔から旧車にしか興味がなく、自身で初めて購入した初愛車も日産510型「ブルーバード」だった。“リョー”さんは走らせることが好きなのでブルーバードを遊べるクルマとしてチューニングを施していたが、ある日不運にも事故に見舞われ入院。「かなりの重傷で修復させるには時間がかかる」と修理工場に言われてしまい、困っていた。 そんなときに、祖父からそろそろ免許を返納するから愛用しているトヨタKP51型「パブリカ スターレット」に乗るかと言われた。もちろん即答で「乗りたい」と譲ってもらい、“リョー”さんの愛車となった。当時はフルノーマルの状態だったので、510型ブルーバード同様に自分好みのチューニングをスタート。 旧車の場合はパーツ探しが大変で、なかなかKP51型パブリカ スターレット用のパーツは見つからない。なんとか当時モノを求めて旧車仲間にも相談するが、出てこないのだ。そんななか、某オークションでたまたま当時モノのトラスト製マフラーとトスコ製のタコ足を発見。 「費用は明かせませんが、絶対に逃すまいと頑張って購入しました」 と、リョー”さんは話す。
維持して生涯乗り続ける
フロントバンパーはトヨタ「セリカ リフトバック」用のエアダムスポイラーをセット。なんとなく形状が似ていることから購入したそうだがこれが大正解で、ほぼ無加工で純正バンパーに収まりよくフィットした。 足まわりは、フロントがオリジナル加工の車高調サスに交換。リアがリーフスプリングのためリーフを1枚抜き、1枚をひっくり返した逆付け仕様に組み換えて車高を程よくダウンさせた。ホイールは当時の走り屋を彷彿とさせる赤いディスクのSSR製マークIIホイールをセット。シルバーのボディにホイールで彩りを加える工夫を凝らしている。ちなみにこのボディカラーは、祖父が愛用していたときのままの純正シルバーということだった。 内装を覗いてみると、オートアクセサリーなんて言っていた時代の真っ赤な懐かしの汎用シートカバーに加えて、死喰魔(シグマ)のセンターキャップ付きステアリング、某有名キャラクターのドア掛けジュースホルダーを装着。さらに、オーディオは往年の銘品であるロンサムカーボーイで、スピーカーがパイオニアTS-X11という組み合わせ。この2つはしっかりとした実働モノであり、出かける際はお気に入りのカセットをかけてドライブを楽しんでいる。 祖父愛用のKP51型パブリカ スタートレットは“リョー”さんが所有してから早いもので15年が経過するという。その間にクルマを譲ってくれた祖父は亡くなり、今は大切な形身として細かい修理を繰り返しながらも乗り続けている。そして、もちろんこのクルマは生涯手放すことはないと“リョー”さんは話す。
青木邦敏