「名探偵コナン」歴代主題歌、なぜアニメファンからも受け入れられる?
アーティストとアニメによる相乗効果
さらに、同アニメの主題歌ならではの特徴もあるという。 「人気アニメとアーティストのコラボについては、悪く言うと宣伝などビジネス的な臭いを発するケースもあり、とくにそうした微妙な“空気”を察するアニメファンからネガティブなイメージを抱かれるケースも多い。その点、『名探偵コナン』の場合、初コラボの時点ですでに売れていた倉木さんが『一緒に育った』といった趣旨の発言を口にしているように、良い意味でアニメとアーティストとのバランスが取れている印象があります。倉木さんに限らず、過去にコラボした他のアーティストに関しても、アニメ作品に対する愛着や尊敬の念が感じられ、その点も過去の主題歌が長く愛され、相乗効果を生み出している理由ではないでしょうか」
新OPもYahoo!トレンド検索ワードで1位に
現在放送中のテレビアニメに関しては、5月26日から新たなオープニングテーマ曲としてシンフォニックロックユニット、NormCoreの新曲『カウントダウン』が起用されているが……。 「NormCoreのボーカルで東京音楽大学卒業のFumiは、“うみくん”名義でアニメソングやボカロ曲など数多くの動画をインターネットサイトに投稿し、ユーチューバーとしても注目を集め、『ジャパンエキスポ』のリポーターを務めるなど、アニメへの造詣が深い。バンドとしても過去に東京MXテレビで放送され、中国の動画投稿サイトでも人気を集めたアニメ『EVIL OR LIVE』や『一人之下 羅天大ショウ篇』を担当するなど、アニメ主題歌の実績もある。一方、作曲を手掛けた、まふまふもネットカルチャーから生まれた新進気鋭のクリエイターということで、ネット業界、アニメファンの間でも話題になっています」 実際、同日に「名探偵コナン」の新オープニング映像がオンエアされると、NormCoreというワードが、Yahoo!トレンド検索ワードで1位にランクインする現象も起こるなど、反響を呼んだ。 アニメ作品、アーティスト、双方に相乗効果をもたらす、理想のコラボが実現している同アニメの主題歌には今後も注目が集まりそうだ。 (文:竹下光) ※Fumiは「u」の上に点が2つつく、ウムラウトつき「u」が正しい表記です。