主人公より輝いてる!悪役が印象的な映画5選
正義の仮面を被る冷酷な男!『レオン』/ノーマン・スタンフィールド
孤独な殺し屋と家族を殺された少女の交流を描いたリュック・ベッソン監督作で、殺し屋レオン役のジャン・レノも、少女マチルダ役のナタリー・ポートマンもブレイク。そんな2人に負けず劣らずの人気を博したのが、麻薬取締局の刑事でありながら麻薬密売組織を裏で牛耳るスタンスフィールドだ。冷淡で容赦ない彼は、自分のビジネスに不利益をもたらしたマチルダの父を家族もろとも殺害。そのことが、唯一生き残ったマチルダの復讐心に火をつける。というザ・悪役だが、ベートーヴェンやモーツァルトを愛し、スーツの着こなしにも異様なこだわりを持ち、鼻歌まじりに人を殺しまくる彼の狂気を、ゲイリー・オールドマンが嬉々として演じている。
強烈な悪のカリスマ!『ダークナイト』/ジョーカー
悪がはびこるゴッサムシティで、バットマンことブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)が死闘を繰り広げるアクション大作。もちろん、主人公はDCコミックスの人気ヒーロー、バットマンだが、注目が集まったのはゴッサムシティを混乱に陥れたヴィラン、ジョーカーの存在。もともと人気の悪役ではあったものの、強烈な悪のカリスマを全身全霊で演じ切った故ヒース・レジャーに絶賛評が寄せられ、アカデミー賞助演男優賞にも輝いた。不気味なピエロのメイクに口が裂けたような傷跡、犯罪を楽しむ狂気に加え、実行に移す知性と冷酷さ。それらすべてにどうしようもなく魅了される人が、今も後を絶たない。
凶暴な佐藤はトラウマ級の衝撃!『ブラック・レイン』/佐藤浩史
NYで起きた殺人事件の犯人を逮捕したニック(マイケル・ダグラス)とチャーリー(アンディ・ガルシア)。だが、日本への護送中に犯人を取り逃してしまい、言葉も通じない国で奔走することに……。高倉健の出演や大阪ロケも話題をさらったリドリー・スコット監督作だが、この作品で最も高い評価を受けたのは、本作が遺作となった故・松田優作。ニックとチャーリーに護送されるヤクザの佐藤を演じ、これ以上ないほどのインパクトを放った。凶暴な佐藤に圧倒的な迫力をもたらしたのはもちろん、スタントなしのアクションも見事。日本刀を手にバイクに乗り、チャーリーに迫り来るシーンはトラウマ級の衝撃。